香ばしさと熱が食欲を誘う、本気の韓国ごはん 浜松市「サムギョプサルDay」
JR弁天島駅から歩いて3分。陽光に包まれた店先からは、どこか韓国の気配が漂う。店の名は「サムギョプサルDay」。厨房に立つのは、韓国・釜山出身のパク・チソンさん。日本に渡って22年。故郷の味を思い出しながら、「おいしい記憶」をこの地に根付かせている。ランチタイムの人気は「石焼きビビンバセット」。熱々の器に、ナムルやキムチなど彩り豊かな具材を並べ、手作りのコチュジャンをのせる。仕上げに半熟の目玉焼きが落とされ、黄身を崩せば、まろやかなコクが全体を包み込む。ひと口目には香ばしい“おこげ”の香り、続く野菜のシャキシャキ感。コチュジャンの甘辛さとナムルの塩味が、噛むたびにバランスを変えながら広がっていく。セットにはキムチなどのおかず3品とスープ、デザートがついてくる。特筆すべきはそのキムチ。韓国から取り寄せた唐辛子を使い、週1で仕込む完全自家製。ほんのり甘く、辛味の角が取れた食べやすい味で、ごはんにもビールにもよく合う。

もう一つの人気が「スンドゥブセット」。コチュジャンベースのスープに、魚介の旨み、豆腐のやさしさ、野菜の甘みが溶け込む。グツグツと音を立てる器を前に、額に汗を浮かべながらスプーンを運ぶ時間が心地よい。

店名にもなっている「サムギョプサル」は、もちろん主役級の存在。国産豚バラ肉は厚めに切られ、鉄板の上でパチパチと音を立てる。脂が落ちるたびに香りが立ち、食欲が刺激される。味わいの決め手は、自家製の韓国みそ、えごま油、甘口焼肉ダレの3種のタレ。サンチュやネギ、大根、酢漬けのタマネギと一緒に巻けば、脂の甘みと野菜の酸味が絶妙なバランスで重なる。

そして、人気のもうひと品が「キンパ」。ゴマ油の香りがふわりと漂い、韓国たくあん、ニンジン、ほうれん草、カニカマ、韓国おでんなど7種の具材が美しく巻かれる。多い日には200本も売れるというこの太巻きは、持ち帰りも可能で手軽に韓国の味を楽しめると好評だ。

食欲をそそる煙と音、香ばしさと手しごとの味。サムギョプサルDayは、浜松に根づいた“やさしい韓国”の食堂だ。

サムギョプサルDay
浜松市中央区舞阪町弁天島2669-109
TEL 053-543-9657
営 水・木 11:00~14:00 / 17:00~21:30(L.O.21:00)
金・土・日・祝日 11:00~14:00 / 17:00-22:00(L.O.21:30)
休 月・火曜日
Pあり