熱いスパイスの世界で花咲く職人魂　長泉町「アジアンスターズキッチン」

長泉町本宿にある「アジアンスターズキッチン」は、ちょっと変わったルーツを持つ。運営元はなんと金属加工の「巧工業」。インド出張の中で現地の料理に魅せられた経営陣が、キッチンカーからスタートし、いまでは本格的なイートイン店舗を展開するまでに育て上げた。ランチの人気は「Aセット」。選べるカレーにナンまたはライス、サラダ、デザート、ドリンクがつく。なかでも「バターチキンカレー」は定番中の定番。トマトをベースに、ガラムマサラやコリアンダーなど数種のスパイスをブレンド。焼いたチキンティッカを加えたカレーは、まろやかで奥深く、辛さも穏やか。スパイス初心者にも勧めたい一皿だ。

ナンはタンドール職人“タンドールワーラー”が直感で焼き上げる。ふっくら、そしてもっちり。ほどよく甘みがあり、香ばしさも漂う。1枚までおかわり無料なのもうれしい。

緑が鮮やかな「ほうれん草チキンカレー」は、ガーリックが香るピリッとした味。ほうれん草本来の風味を生かした一品だ。一度味わうとリピート必至だ。

「チャナパニール」は、ひよこ豆とカッテージチーズを煮込んだベジタリアン向けカレー。ほくほくの豆、優しいチーズのコク、スパイスの香り。肉がなくとも満足感は十分だ。

サイドの「シシカバブ」は鶏ひき肉のスパイス焼き。棒状にして直火で香ばしく焼いたその風味は、インド屋台の臨場感を彷彿とさせる。スパイスが食欲をかき立て、もう一皿頼みたくなる。

そして、仕上げには「ビリヤニ」を。細長いバスマティライスを使った炊き込みご飯は、炊き上げ後にさっくりと混ぜて完成する。ほんのりと香るスパイス、軽やかな食感。カレーに添えるのではなく、主役として味わうべき料理だ。

長泉の町工場が始めた、南アジアの本格スパイス食堂。真面目な技術者魂が、熱いスパイスの世界で花を咲かせている。

アジアンスターズキッチン
長泉町本宿377
TEL　055-950-8161
営　11:00～15:00（L.O.14:30）／17:00～22:00（L.O.21:30）
定休日:月曜日※祝日は営業、翌日休み
Pあり