秋の香りをまとう薪窯ピッツァと濃厚ポルチーニの誘惑 藤枝市「ラ パピージェ」
藤枝市の蓮華寺池公園のすぐそば。陽光が差し込むガラス張りの空間に、薪の香りがふわりと漂う。「La Papi-ge(ラ パピージェ)」は、ナポリピッツァを通して笑顔を届けたい──そんな思いを込めて、村松淳哉さんが1枚1枚を焼き上げるピッツァ食堂だ。イタリア製の薪窯で焼かれる生地は、イタリア産の小麦粉、塩、オリーブオイル、そして天然酵母の力だけで練り上げられる。高温の窯で一気に火を入れると、香ばしい焦げ目とともに小麦の甘みが花開く。秋の看板は「ピッツァ ポルチーニ」。イタリアで“キノコの王様”と呼ばれるポルチーニ茸に、自家製パンチェッタの塩味を合わせ、仕上げに生クリームをひと回し。まろやかで奥行きのあるうまみが広がる。香り高く、ひと口ごとに秋の森が立ちのぼるような一枚だ。

パスタにも旬を取り入れる。「ポルチーニ茸と小海老の濃厚クリームソース」は、生クリームにポルチーニのだし汁を加え、具材と麺を煮込むように仕上げる。パスタの芯までしみ込んだうまみは、深く、香り豊か。ひと皿で秋の滋味をたっぷりと感じられる。

イチジクの季節になると登場するのが「無花果とミラノサラミのピッツァ」。リコッタ、モッツァレラ、ゴルゴンゾーラの3種のチーズを使い、そこへフレッシュなイチジクをのせて焼き上げる。チーズの塩味とイチジクの甘み、ミラノサラミのコクが絶妙に絡み合い、ハチミツをかければさらに芳醇な余韻が広がる。

もうひとつの人気は「スモークサーモンとクリームチーズのジェノヴァ風」。自家製のジェノヴァペーストの香りの中に、4日間かけて仕上げたスモークサーモンのうまみが引き立つ。バジルの清々しさとチーズのコクが重なり、口の中で軽やかに溶け合う。

窯の熱気と森の香りが混ざり合う「ラ パピージェ」。カジュアルでありながら、季節の余韻をしっかりと感じさせる一軒である。

La Papi-ge
藤枝市若王子1-2-19
電話番号:054-645-2819
定休日: 火曜日
営業時間:平日 11:00〜15:00(L.O.14:30)/ 17:00〜23:00(L.O.22:00)
土日祝 11:00〜16:00(L.O.15:00 )
/ 17:00〜23:00(L.O.22:00)
Pあり