27日袴田事件再審初公判 袴田巌さん出廷免除に 罪状認否は姉のひで子さんが 結審は4月以降にずれ込む可能性
27日から始まる袴田事件の再審やり直し裁判について、静岡地裁は袴田巌さんの出廷を免除する意向を弁護団などに伝えました。
しかし、年度内に結審できない可能性が高くなったということです。
24日夜、静岡地裁で裁判所、弁護団、検察が袴田事件の再審初公判に向けて非公式で協議しました。
袴田巌さん(87)は1966年、旧清水市でみそ会社専務一家4人が殺害された事件で、一度は死刑が確定しましたが、今年3月に再審開始が決まり、27日静岡地裁で初公判が開かれます。
袴田さんは48年間も拘束されていた影響から、精神疾患を患っていて、弁護団は公判で正常な受け答えができないとして、袴田さんの出廷を免除するよう裁判所に求めていました。
再審を担当する地裁の國井恒志裁判長も、出廷させるかどうか判断するため、先月袴田さんと面会。
袴田さんは年齢を聞かれ「23歳」と答えたということです。
再審は刑事訴訟法で「心神喪失の状態で回復の見込みがない」場合は、被告人が出廷しなくても審理できると定められています。
弁護団によりますと、24日の協議の中で、裁判所から「袴田さんは心神喪失の状態で出廷の強制はしない」と、伝えられたということです。
袴田事件弁護団 小川秀世弁護士:
「(袴田さんの)今の精神状態に非常に悪影響を及ぼすだろうということで、診断書もいただいていますし、我々もそういうふうに 考えていたので、一つ安心した」
姉・ひで子さんは
出廷免除が決まって一夜明けた25日、袴田さんの姉ひで子さん(90)が取材に応じました。
ひで子さん:
「よかったと思ってる。(國井さんも出廷免除の話も)前から言っていたのを聞いてくれて。本当かどうかということで巌もあったでしょうね。23歳くらいのこといってるからこれはおかしいと思ったでしょ。(私が)無実だということを訴えるしかない」
初公判では袴田さんに代わって補佐人のひで子さんが罪状認否を行い無罪を主張します。
結審は4月以降にずれ込む可能性
また当初、公判は年度内で結審する想定で、期日が示されていました。
しかし、弁護団によると検察側の冒頭陳述や証拠の取り調べに時間がかかるといい、結審は4月以降になる
可能性が高くなったということです。
これによって、年明け1月に予定されていた再審の決め手となった5点の衣類に付着した血液の色に関する
証人尋問も2月にずれ込む見通しです。
小川弁護士:
「この事件は警察、検察が 重大な過ちをおかしてこういう結果に至ったということを改めて思った。今回裁かれるのは、袴田さんということではなく検察、警察のですね捜査、公判の過ちが裁かれなければいけない。当たり前ですが、袴田さんがこの事件で無罪にならなければ終わらないわけですから、袴田さんの今の状態も無罪という言葉を袴田さんに聞かせてあげたい」