消防士が死亡したビル火災の最終報告 火元の情報が共有されていなかったことなどが判明 組織改革の重要性を強調 静岡市・難波喬司市長

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静岡市で消火活動中の消防士が死亡したビル火災を巡り、市は活動の様子を記録した映像を全面公開するとともに最終報告書を公表しました。

難波喬司市長:
「やはりこれからやらないといけないのは組織改革。とりわけ指揮体制の問題」

2022年に発生した静岡市葵区呉服町のビル火災では、駿河消防署の消防士・山本将光さん(当時37)が死亡しました。

 これまでに、静岡市消防局の事故調査委員会による調査報告書と、市が独自に行った検証結果が報告されています。

 2つの報告書を一体化するため、難波市長は17日臨時会見を開いて最終報告書を公表。

 これまで個人情報が含まれるなどの理由から、一部しか公開されていなかった活動の様子を収めた映像が全面公開され、映像から新たに分かったことが報告書に示されました。

 そこでは、隊員が現場到着直後に店長から得た火元の情報を共有していなかったことや、小隊長が活動中に「給湯室」が火元であると助言したこと。

 現場で使われていたビルの図面は古いものだったことなどが分かりました。

難波喬司市長:
「情報の共有は基本中の基本。初動においては極めて大事なこと。個人の行動そのものというよりも、そこについての組織的課題」

 隊員に対して追加での処分はありませんでした。

 市は、聞き取り調査の範囲と方法に課題があったとした上で、今後は消防局の組織改革が重要と指摘。

 組織改革実施計画を策定すると共に、市消防局では指揮隊研修などを実施する方針です。