「なぜ住宅街のど真ん中に…」住民に広がった不安 説明会から1カ月、蓄電所計画が突然の中止へ 静岡市は条例制定も検討
「なぜ住宅街の真ん中に」住民が抱いた違和感
発電した電気をためる系統用蓄電所が全国的に急増しています。建設計画が浮上した静岡市では、住民から騒音などに対する懸念の声が上がる中、8日、大きな動きがありました。
杉山公啓さん:「なぜ住宅のど真ん中に造るんだろう」
山崎洋佑さん:「1%でも危険があるならやめてもらいたいなと」
こう話すのは、静岡市清水区八木間町に住む杉山さんと山崎さん。2人の自宅近くに建設計画が持ち上がったのが系統用蓄電所です。余った電気を蓄電し、必要なときに放電できる施設です。
太陽光発電など供給が不安定な再生可能エネルギーの需給バランスを調整することができます。契約の申し込みは、この3年余りで急増しています。そうした中、清水区八木間町の閑静な住宅街に建設計画が浮上。
杉山公啓さん:「もしものことがあってもいいような場所で造ればいいと思うんですよ。ここはもしもがあってはいけない場所なので」
住民説明会で噴出した騒音と火災への不安
8月末には千葉県の事業者による住民説明会が開かれました。そこで住民から様々な懸念の声が上がったといいます。
山崎洋佑さん:「騒音レベルに達していないと言われても、絶対音は出ているわけじゃないですか」
住民が懸念したのは、蓄電池の火災や冷却ファンによる騒音です。
稼働施設で聞こえた“想定外の音”
同じ事業者がすでに稼働を始めている静岡県菊川市の系統用蓄電所を訪れてみると…。
周辺住民:「玄関にいても聞こえるし、台所にいてもこっちからとこっちからと両方から出るんですよ、音が。テレビがちょっと聞こえなくて」
佐藤航記者:「こちらが稼働が始まっている蓄電所になるんですが、現在防音シートが周りに囲われていて、音は多少遮られているように感じます」
事業者は住民からの苦情を受け、防音シートを設置。今後、防音壁を造る予定だといいます。
杉山公啓さん:「どの家庭にとっても、何もいいことはないと思いますので、本当にやめていただけるものであれば、やめてもらいたいです。それだけです」
事態急変 事業者が建設中止を発表
清水区で開かれた住民説明会からおよそ1カ月。8日、事態が急転しました。千葉県の事業者が建設中止を発表したのです。
静岡朝日テレビの取材に事業者は。
「収益性の観点から撤退を決めた。住民に反対されたからではない。住民感情は多少考慮した」
静岡市がルール作りへ 条例制定も視野
系統用蓄電所建設に市民が反対する状況を受け、静岡市はルール作りに動き出す方針です。
静岡市 難波喬司市長:「大規模な系統用蓄電所の設置による住環境の悪化について、地域住民の皆さんが不安を抱いています。適正な立地を誘導するための制度。それには条例の制定も有力な案ですが、制度の導入に向けて作業を急ぎます」