「駐車場問題」から派生 沼津市議会で問題視されている「タケノコ問題」とは?


沼津市が所有する土地を巡って「駐車場問題」とは別の事案が市議会で問題になっています。「タケノコ問題」。その背景を取材しました。

井口恭兵ディレクター
「竹やひのきがおしげるこちらの山、実はこの場所に生えている竹をめぐって、沼津市議会である騒動に発展しているといいます」

江本浩二市議 27日:
「市内一円に自宅の中に市有地がある、農地の中に市有地がある、こういうケースはたくさんある。実は私の農地の中にも市の土地が存在しています。その土地は現在、竹林として私、管理をして、そこから毎年タケノコを掘って利益を得ています。販売したりしています。これらについても市は明確にその損害額を計算して請求すると言うのか?」

 「市の土地でタケノコを掘り、販売している」

 この「タケノコ発言」によって「議会の品位を貶めた」として、沼津市議28人のうち22人が連名で江本市議への懲罰動議を提出する事態に発展したのです。

現地の竹林を取材

 渦中の江本市議を直撃、現地の竹林を取材しました。

Q.このあたりは私有地?

江本浩二沼津市議:
「そうです、私の土地、この下かな」

Q.市の土地との境を示すものは?

「ない。なので公図から大体この辺かなというところを」

 もともと農家だった江本市議。

 自身の所有する土地でお茶などを栽培、竹やヒノキの管理もしてきたといいます。

 遡ることおよそ20年前、沼津市が雨水貯留ダム建設のため、
市議の所有する竹林やヒノキ林の一部を買収。ところが…

Q.(竹は)1年であの高さまで上がっていく

江本浩二沼津市議:「そうです。竹は本当にすごい」

Q.何メートルぐらいに?

「7〜8メートルにはなると思う。」

 ダム建設のため買収された竹林でしたが、現在まで、ダムは建設されていません。

 そうした背景もあり、江本市議は自身の土地と合わせて市に売った土地も“自主的に”管理をしているといいます。

江本浩二沼津市議:
「こうなっちゃうとヒノキはどんどん生育を妨げられて枯れてしまうということで、例えばこのヒノキなんかはもう枯れちゃってる。」

Q.あの白くなっている?

「そう」

 江本市議によりますと、市の所有となった林の竹が、自身の所有するヒノキ林を侵食。

 茶畑にも悪影響が及ぶとして、これまで数百本以上の竹を伐採してきたと言います。

 今回問題となった、“市の土地でのタケノコ堀り”は、そうした自主的な管理の一環で、いわば“暗黙の了解”として管理費代わりに取得しているものと主張しました。

江本浩二沼津市議:
「タケノコ結構出ますから、放っておいたら1年で7〜8メートルの竹になってしまって、今度はそれを伐採するのは大変な話になるので、タケノコの段階でどんどん切ってしまう。厳密に言えば悪いと思いますよ、窃盗罪に当たるかもしれません。しかし、やらなけれ、自分に被害が来るから、お茶もそうです。愛鷹山麓、そういうところたくさんあります。農地っていうのはそういうものです。あうんの呼吸で市に管理費を出させないで、代わりに自分で管理する。その管理していく中で出てきた(タケノコ)はいただきますよということをやっています。」

 また、議会でも特に問題視されている「タケノコの販売」については…。

江本浩二沼津市議 :
「販売をしたのは20年ぐらい前で、議員になってから一切それを売って収入を得るということは一切やってないです。農産物で加工品も含めて干し柿も売ったこともある。いろんなものを自分の無人スタンド販売スタンドはありましたのでやってました。その中の一部として、タケノコも販売をしたこともあります。」

 ただ今回、懲罰動議を提出されるに至った自身の発言については、言葉足らずだったと話します。

江本浩二沼津市議:
「議会の議案質疑の場なので、私はできるだけ簡潔にずばり分かりやすく質問しようという意図があったので、確かに言葉が足りなかった。それゆえに誤解される方も大勢いたっていうことに関しては、申し訳なかったなと思っております。」

 その一方で、懲罰動議を提出する動きについては“意見”も。

江本浩二沼津市議:
「窃盗罪だとか、懲罰までするっていうのは私はやり過ぎだと思うし、それをちゃんと白黒つけると言うならば、頼重市長に公平公正の観点でそれなりの機関に申し出てやってくださいよ」

市の土地にあるものを勝手に取っていく行為について、沼津市は「許されることではない」とコメントしています。

江本浩二沼津市議