静岡大学と浜松医大の統合再編問題「長期化につながるとしたら非常に危惧する」浜松市中野祐介市長
静岡大学と浜松医科大学の統合・再編問題で、静大側が当初の合意と違う1大学2校案でまとまったことについて、浜松市の中野祐介市長は「大変困惑している」と語りました。
浜松市 中野市長
「正直、これが一体何なのかわからないということで、わたくしもあの大変困惑をしているところです」
24日浜松市の中野市長が言及したのは、静岡大学の“お家騒動”について。
静岡大学と浜松医科大学は、2019年に「1つの法人が2つの大学を運営する」「1法人2大学案」に合意。
大学の再編プロジェクトを具体的に進め始めました。
ところが、この案は実質的に理系の学部がある静大・浜松キャンパスと、浜松医科大の統合という意味合いが強く、文系の学部だけが“取り残される”形となる静大・静岡キャンパスからは、反対論が根強く出ていました。
さらに静岡市もこの再編案に難色を示したことで、おととしこの話は無期限延期に。
静大は「1法人1大学」から「1大学2校」へ
その後、静岡キャンパス出身の日詰一幸教授が新たな静大の学長に就任すると、事態は再び動き始めます。
静岡大学 日詰一幸教授 今年2月:
「2つの大学を1つにしていくことがひとつの選択肢」
当時の合意書案とは異なり、「1法人1大学」案を提唱したのです。
つまり、この新たな案は「静岡大学に“医学部”をつくる」といった意味合いを持つことから、今度は浜松側がこれに反発しました。
浜松医科大学 今野弘之学長 今年2月:
「正直大変驚き困惑しました」
静大の日詰学長は「1法人1大学」案をさらに細かくし、「1大学2校」案を提唱。
静岡大学 日詰一幸 学長 静岡大学浜松キャンパス 浜松・中区 18日:
「 皆さんが諸手を挙げて賛成ということではなかったが、会議としてお認めいただいた」
浜松医大は静大との協議を拒否
先週、各学部の代表者らが出席した静大の「学内評議会」で、
「1大学2校案」を静大の正式案とする方針を決定。
浜松医大の今野学長は、23日静大の日詰学長に文書を送付し、「静大の正式案となった1大学2 校案」は浜松キャンパスの合意がないため、協議するに値しないとして静大との協議を拒否。
その上で…
浜松医科大学 今野弘之学長 静大日詰学長宛てへの文書:
「本学は合意書を履行する環境が整ったと考えております」
「本学は、貴学に合意書及び確認書の履行を依頼いたします」
「非常に危惧するところ」
両大学の亀裂が決定的となる中、会見を開いた浜松市の中野市長は…
中野祐介 浜松市長:
「一浜松市という問題ではなくて、静岡大学と県内唯一の医大である浜松医大との再編・統合であるので、この県内の一番の有力な大学の未来の話でもあれば、浜松だけでない静岡県全体のこの地域の未来の話ということで、より良い未来のために再編・統合しようっていうことで動いていたはず。」
中野祐介 浜松市長:
「今回の動きが再編・統合の長期化につながるとしたら、我々としては非常に危惧するところです。我々期成同盟会は合意書に基づく再編・統合を、これを応援するために立ち上げておりますので、基本そこで示された合意の通り、極力進むように応援していきたいというふうに思っています。」