行政が開く婚活イベント…講師は“婚活界のカリスマ”「男子は狩人にしないと」 2~40代未婚の3人に1人が交際未経験 静岡市
会場に集まった男女は、およそ40人。参加者の恋を後押しするのは、“婚活界のカリスマ”です。
婚活コーディネーター 荒木直美さん:「婚活のやり方は学校では教えてくれないのです。私はハートの筋トレと言っています」
婚活イベントでのマッチング率は、なんと50%を超えるんだとか。
婚活コーディネーター 荒木直美さん:「パートナーを見つけたいのなら、危機感をもって出かけることです。出会いの場にね」
今回の参加者から、ひとりの女性に密着。
一般事務(34歳):「そろそろ私も家庭を作って落ち着きたいと思って参加しました」
行政が婚活イベントを開くワケとは…? そして、結婚相手を求める女性はマッチングできたのでしょうか?
未婚の20~40代 3人に1人が交際未経験
短大生(10代女性):「意外といる。本当に?」
会社員(20代男性):「多いですよね。3人に1人ということですよね」
静岡の若者から驚きの声が上がったのは、若者の恋愛にまつわる“ある数字”について。リクルートブライダル総研の調査では、未婚の20代から40代で一度も交際したことがない人の割合は34.1%。これまでで最も高い数字になりました。
専門学生(10代男性):「(周りには)自分から行かないグイグイしないで、控えめな人が多いです」
主婦(40代):「街を歩いていても、男の子同士とか女の子同士とかが結構多いと思って、カップルってあまり見ないかもしれない」
英語教室経営(30代女性):「信頼できる早さが全然違う。アメリカだと最初あった日に深い話ができるようになってくるけど、日本は6カ月、1年ぐらいかかって、忍耐が必要」
『恋愛に奥手』 若者は…
恋愛に奥手とも言える、令和の若者たち。そのワケは…。
建設業(10代男性):「友達と遊んでいるのが多くて、そっちに時間を割いてしまう」
公務員(20代女性):「コロナで遊びに行ったり飲み会に行ったりがないから人と話したりするのが得意じゃないし、楽しめない人も増えているのかなと思います」
会社員(20代女性):「仕事がすごく楽しくて、それが充実しているので自分の時間を大事にしています」
ミュージシャン(30代男性):「自分のメンタルが傷つくのが怖いので、(恋愛に)踏み切れない」
行政が企画する『婚活イベント』
少子化の一因ともなる、若者の恋愛離れ。行政にとっても大きな課題です。
静岡市 難波喬司市長:「日本の場合は結婚してから子どもが生まれるというケースが多いので、婚姻率が低いことが少子化につながっています」
静岡市での結婚の件数は2017年におよそ3400組でしたが、2022年には2800組まで減少。生まれた子どもの数も5年間で1000人ほど少なくなっています。
少子化に歯止めをかけようと、静岡市が取り組んでいるのが婚活イベントです。
静岡市青少年育成課 繁竹三千代課長:「民間と違って、参加費が大変リーズナブルであることや、行政が行うことの安心感。行政へのイベントの参加によって、今度は民間の方にも参加しようという気持ちになる参加者もいらっしゃいます」
2016年から婚活イベントを100回以上開催し、参加者はのべおよそ3000人。参加者全体の30%に当たる485組がマッチングしています。2月開かれた今年度最後のイベントには、25歳から39歳までおよそ40人の男女が参加。セミナーとマッチングイベントがセットになっていて、参加費は1000円。男女とも定員20人を上回る応募があったそうです。
会社員(20代男性):「婚活イベント自体はあまりなくて、そろそろ年齢的にも始めてみようかなと思って応募しました」
福祉関係(30代男性):「介護職の中には若い人もいるのですが、大体は結婚されている人が多い。(市の主催で)安心感はあるのと、料金設定がしっかりされている」
講師は“婚活界の瞬間接着剤”と呼ばれる荒木直美さん
セミナーの講師を務めるのは、婚活コーディネーターの荒木直美さん。キャリア20年以上、これまでに成立させたカップル数はなんと2000組を超えるといいます。
その手腕から、“婚活界の瞬間接着剤”と呼ばれています。
婚活コーディネーター 荒木直美さん:「ちゃんと接着剤を用意してきていますので、もうくっつけたくてうずうずしています」
セミナーでは男女に分かれて、婚活のポイントやテクニックを伝えます。
婚活コーディネーター 荒木直美さん:「男子は狩人にしなければならない。女性とペアになるんだぞ、という士気を高める必要がある。女性は逆に理想が膨らみ過ぎてふわふわと上に昇ってしまっている傾向が強いので、地に足をつけた婚活をしていただく。(男女の)目線を同じところにしてから引き合わせる、これが「荒木メソッド」です」
これが“瞬間接着剤”のテクニック。いよいよ男女が対面です。
男性は3分話したら、次の女性の元へ。参加者全員と会話するシステムです。参加者も徐々に緊張がほぐれ、少しずつ話も弾み始めたようです。
婚活コーディネーター 荒木直美さん:「出会いがないというところで、(恋愛の)手前で止まっているだけなんですよ。だから引き合わせてあげれば、ほら、もう止まらないでしょ」
笑顔を絶やさずに会話を楽しむ女性。今回特別に、顔出し取材に応じていただけることになりました。
一般事務(34):「もう10年ほど(婚活)やっていますね。社会人になると会社と家の往復が多くて、出会いがなかなか見つからないっていうのが、ちょっと悩みかなと私は感じます」
出会いの機会が少ないと感じている参加者は、他にも…。
接客業(30代女性):「出会いがないというのと、子どもが欲しいからお相手がほしいなと思って参加しました」
葬祭業(20代女性):「マッチングアプリをやったことがあるんですけど、あまりまじめな人に出会えなかったので、市がやっているイベントならまじめかなと思って来ました」
イベントは先ほどまでの「お見合い回転寿司」から、フリータイムに。気になった相手に自分から声をかけて話を深めていきます。問われるのは積極性です。
取材する女性も積極的に声をかけて、会話を楽しんでいる様子。
一般事務(34):「なかなか緊張しいなので、会話が続かなかったことが多かったのですが、今回は話が途切れないように会話ができるようにします」
今回は相手の話を聞くだけではなく、自分が話す量を増やすことを心がけたといいます。
その後、男女とも気になった人を3人まで指名。互いに番号が一致したらマッチング成立です。
女性は18番。次々とマッチングしていく中、ついに…。
「女性の18番」
念願のマッチング成立。お相手は34歳の同い年で、医療事務として働く方です。
医療事務(34):「すごく話しやすくて、優しい印象を抱いたのも好印象でした」
今回のイベントでは、9組がマッチングしました。
一般事務(34):「イエーイ!よかったです。一番気になっていた人だったので。セミナーってことで、いろいろ勉強になることも学べましたし、マッチングアプリだと写真だけから入るんですけど、相手の中身を話しながら知ることができて本当にこういう婚活イベントは良いと思いました」