東海道新幹線ダイヤ改正 静岡県利便性向上へ ダイヤ改正を担うのが通称「スジ屋」と呼ばれる男 その職人技をのぞく
東海道新幹線のダイヤが16日に改正され、静岡県内の駅も利便性向上が期待されています。ダイヤ改正を裏で支える「スジ屋」と呼ばれる社員に話を聞きました。
16日から実施されるJRのダイヤ改正。
新幹線の利用が静岡県で特に便利になります。
桜井健至記者:
「午後7時半すぎのJR静岡駅です。東京方面から乗って来た大勢の人たちがホームから降りてきました。今回のダイヤ改正で静岡駅に停車する「ひかり」が1本増えることになりました」
静岡と浜松に停車する下りのひかりが夜に1本ずつ増え、午後6時33分東京発が午後7時29分に静岡に停車。
午後7時30分東京発が午後8時46分に浜松に停車し、列車の間隔も改善されます。
静岡や浜松に停車する「ひかり」が増えるのは16年ぶりです。
利用客は
新幹線をよく利用する人は…
仕事で新幹線を利用する客:
「都内から出張とかでこっちに帰ってくるときにはいいと思いますね。ひかりがもっと止まってくれれば東京にも名古屋にも行きやすくなるのるので。本当は2本くらいあるとすごくうれしいですね。通勤の幅も増えると思う。静岡からもっと通いやすい環境になるのでは」
東京都民:
「私自身、静岡県で就職を考えているので、できれば静岡に新幹線が止まるほうが色んな場所に行きやすいのかなと思う。普段静岡にも友達と旅行に行ったりするので、そういった点でも静岡に行きやすくなったなと」
今回のダイヤ改正では他にも下りの「こだま」の始発が、三島~浜松で繰り上げられるほか、上りも、通勤時間帯の三島発の「こだま」が浜松発に変わるなど「こだま」だけが止まる駅にも影響が大きいものとなっています
ダイヤ改正を担うのは「スジ屋」
朝から夜まで行き交う多くの列車。
そのダイヤの作成を担うのが「スジ屋」と呼ばれる社員です。
ダイヤに引く斜線を鉄道用語で「スジ」と呼ぶことからその名がつきました。
繁忙期だとおよそ470本の列車が走る東海道新幹線。
そのすべての列車の運行計画を線で表します。
武田純平さん
「下がっていく列車が下り列車、上に上っていく列車が上り列車となります」
「秒単位でいうと実は東海道新幹線は15秒単位でダイヤが決まっておりまして」
「これを見ればすべての列車の時間が何時何分何秒まで分かるようになっています」
紙に線を引くだけでなく関係先との調整も「スジ屋」の仕事。
ダイヤ改正には少なくとも1年以上前から準備を進めるといいます
武田純平さん
「列車を数分ずらすだけでも前後の列車を変えていく必要があったりとか、その列車の後の駅も到着が全部遅れていくので、できるだけ影響を小さくする工夫も必要になる」
「山陽新幹線の調整も必要になる。この列車に対して車両をあてがうことができるか、乗務員をあてがうことができるか、検査作業ができるか、清掃作業ができるかとか。そういったことをすべて調整していかないといけない」
ダイヤつくりのため駅にも足を運ぶ
新しいダイヤをつくるには実際に駅まで来て細かい状況を調べることも大事です。
武田純平さん
「データでは取り切れないものを自分の目で見て確認しています。お客様の数とか客層とか乗降にかかる時間とかを確認しています。お客様が増えているときにこういった理由で増えているのかなとか減っているのかなとか確認するときに現地に来たりします」
1年以上かけてつくった新しいダイヤ。
改正の日が近づく中、担当者としての思いは…
武田純平さん
「今回のダイヤ改正、静岡地区の利便性向上に大きなものがあると思ってつくってまいりました。今回便利になったダイヤをご利用いただいて観光や通勤、出張にぜひ便利にご利用いただければと思う」