静岡県知事選まで1カ月選挙戦は三つどもえの戦いに
きょうは4月26日、5月26日投開票の知事選までちょうど1カ月です。その「超短期決戦」は三つどもえの戦いとなっています。
26日、元副知事で自民党県連が推薦する大村慎一氏の姿は、静岡市清水区由比にありました。
母親の実家で今はいとこが住んでいるという家の前で演説。
自民党の県議や市議らも応援に駆け付けました。
大村慎一氏:
「国の方とも、使えるものはどんどん使って、必要な予算があればそれをしっかりと持ってきて、静岡のために発展できるように、先頭に立って頑張るのが知事だと思っております。私はそういう意味で、私が36年間培ってきた全国のネットワーク、国とのネットワーク、こういったものを全部、地元静岡県のために、そしてこの由比町のために、つぎ込んで頑張って参りたいと思っております」
鈴木康友氏は
前浜松市長で、立憲民主党・国民民主党が推薦する鈴木康友氏も地元・浜松で街頭に立っていました。
“地域対立”との懸念もあがる今回の知事選。
鈴木氏は、浜松市での演説でも、静岡市のことを取り上げました。
鈴木康友氏:
「なんと工業出荷額は、すでに静岡市は浜松を超えています。浜松は自動車産業を中心、輸送用機器中心のものづくりの町でありますが、静岡市には機械工業があったり、食品工業があったり、製薬産業があったりと、さまざまな業種が集積をし、まだまだ工業出荷額が伸びています。やはり県都にふさわしい。商業の中心で、また工業の中心にもなっている。こうした静岡市を中心とした中部地区のポテンシャルを、まだまだ引き出すことができる」
森大介氏が出馬表明
そんな2人に割って入ったのが、25日出馬表明した共産党公認の森大介氏です。
森大介氏 25日:
「今、立候補を表明されているお2人 の方、リニアについては推進。原発の問題については明言をしておりません。そういう点で私、日本共産党の森大介、この2つの大きな問題、県民の立場でしっかりとものを考え、発言をする。そうした県政へと転換をしていく。そのために今回決意を致しました」
26日森氏は、終日、選挙戦に向け、党の関係者らと打ち合わせをしたといいます。
政策に大きな違いがないと言われてきた大村氏と鈴木氏。
森氏の参戦で、リニア新幹線と浜岡原発が争点として浮上しました。
リニア新幹線、森氏は明確に建設中止を訴えています。
森大介氏
「リニア建設の方は、トンネル工事で南アルプスの貴重な自然が破壊されるだけでなく、大井川流域の62万人の皆さんの命の水の枯渇の問題、これがあります。さらに高速移動というニーズそのものが薄れていると考えている。さらに、現在の新幹線の4倍もの大電力を消費するリニア新幹線。今の流れから言っても逆行するものだと考えている」
2人との違いは…鈴木氏
これに対し、きょう取材に応えた鈴木氏と大村氏は…。
Q.森氏と鈴木氏との違いを教えてほしい
鈴木康友氏
「それ、明確です。リニアは、私は推進です。別に駅がないからメリットがないわけではない。東海道新幹線沿線は、ものすごく経済的なメリットを享受できる。だから、はっきりもう少し(ひかりが)このぐらい停まれば、このぐらいの経済波及効果があるということを明確化していただきたい。これはJR東海の経営を考えてみても、リニア1本足打法で経営は成り立たないので、当然東海道新幹線の売り上げをアップさせて、この2つで経営の軸をつくっていかなければならないので、普通に考えても本数が増えて利便性を向上させることは、これは自然な流れだと思う」
2人との違いは…大村氏
大村慎一氏
「私自身は、前提として、リニアを推進することは従来から言っている。ただ、そのときにきちんと今まで積み上げてきた、環境とか水とかの問題は、しっかり引き続き議論しながら、その上で市町と対話し、その意見を持ってJRとしっかりと協議すると言うことが重要だと思っている。今までの積み上げを大事にしながら、その上で、スピード感を持って実行する、それが私が考えているやり方ですので、その点は、おそらく他の候補と、またちょっと違うんだろうと思っている」