【特集】衆院選に向け動き出す静岡県内選挙区 県内最激戦区か 静岡6区

衆院選の投票用紙が11日各選挙管理員会に配送され、本番間近となっています。前職同士の因縁の対決に新人が加わる見通しの静岡6区を取材しました。 

難波亮太記者
「投票用紙を積んだトラックが沼津市役所に到着しました。きょうから県内各地に配送されます」

 午前10時すぎ、県内の自治体で最も早く、衆院選の投票用紙が届いた沼津市。

 選挙管理委員会の職員が庁舎に運び込み、投票用紙の枚数や印刷に誤りがないか、一枚一枚確認していました。

 県選管によりますと、県内では小選挙区と比例代表、最高裁判所裁判官の国民審査用の、合わせて924万枚余りが配送されるということです。

 公示が4日後に迫った衆院選。県内の候補予定者の動きも活発化しています。

 沼津市や伊豆半島を選挙区とする、静岡6区。

 静岡県内最激戦区とも評されるこの地で、5度目の対決になるのが自民前職、勝俣孝明氏と立憲前職、渡辺周氏です。

 この2人に、れいわ新人・冨谷皐介(とみたにこうすけ)氏を含めた三つどもえの戦いとなる公算が大きくなっています。

自民党 勝俣孝明氏

 10月5日、議員になる前から参加していたという地元の祭りに現れた勝俣氏。

 リラックスした様子で有権者と交流を深めていました。

 2021年の前回選挙で初めて小選挙区で渡辺氏に勝利したとは言え、その差はおよそ4400票。

 今回も激戦が予想される中、自民党の裏金問題が重くのしかかっています。

自民党 勝俣孝明氏:
「私自身が清廉潔白、まじめにやっていたというのはもちろんですけど、所属する政党がありますから、非常にこれは大きな逆風の中での選挙だという風に思います。辻立ちしたり色んなイベントに顔出すと皆さんね、頑張ってねとか声かけられるじゃないですか。でもやっぱり『しっかりしなさいよ』とか言う言葉が皆さんの言葉っていうのはやっぱり違います」

 それでもこの3年間、党の政務調査会副会長や農林水産副大臣などを務め、確実に実績を積んできたという自負があります。

 保守層の多い伊豆半島の課題に取り組みたいと力をこめます。

自民党 勝俣孝明氏:
「盛り土規制法ですとか、災害における対応ということで、政調副会長として様々な法案に携わることができました。観光と防災の両立ということで、世界に誇る観光地を作っていきたいというふうに思っています。」

自民党 勝俣孝明氏

立憲民主党 渡辺周氏

 一方の渡辺氏は衆議院解散前日の8日、メディアの取材に応じ、開口一番、小選挙区での議席奪還への思いを口にしました。

立憲民主党 渡辺周氏: 
「前回が4420票の差で小選挙区で敗れまして、その後東海ブロックの4位と、5議席のうちの下から2番目で何とか辛うじて比例復活当選しましたから。その思いというのはあります。できるだけ街頭に立ったり、色んな形で呼ばれてもいない会合に顔を出し、欲しがられてもいない名刺を渡し、求められてもいないのに握手もしながらですね。一生懸命渡辺周ってどんな人ということは、この3年間の間にやってきたつもりではあります」

 旧民主党時代に政権与党を経験したとは言え、当選9回のうち、その大半が野党としての立場でした。

 自民党の裏金問題や旧統一教会との問題など、政治不信を招いた責任の半分以上は野党にもあるとした上で…。

立憲民主党 渡辺周氏: 
「今いろんなうみが出てきているわけですから、私たちが政権交代、叶わなくとも、やはり与野党の緊張状態を作らないと、おかしなことをしたら世の中はしっぺ返しをするし、おかしなことをしたら、一つ間違えたら政権ひっくり返るぞと、いうことをやっぱり今回何としても、意地になっても、見せたいなと思います」

立憲民主党 渡辺周氏

れいわ新選組 冨谷皐介氏

 北海道出身でいわゆる“地盤も看板もカバンもない”冨谷氏は、スルガ銀行のシェアハウスをめぐる不正融資の元被害者。

 同じような問題を抱える消費者支援団体で代表を務めています。

 今回、スルガ銀行の本店がある沼津市を戦いの場に選び、
長期間の経済停滞を招いてきた自民党政治を終わらせたいとしています。

れいわ新選組 冨谷皐介氏:
「今のこの自民党の政治というものは、国民の国民による国民のための政治にまったくなっていないんじゃないかなという大きな疑問が沸き上がってきた。自分の子どもの世代、あるいはまだ孫はいませんけど、そういった世代に豊かな幸せな明るい日本を残してあげたいなと思ったんです。そう考えた時にいてもたってもいられなくなった」

 衆院選は15日公示、27日投開票です。

れいわ新選組 冨谷皐介氏