【リニア新幹線工事】大井川の水問題について静岡県とJR東海との議論がすべて「対話完了」に 静岡県の専門部会

リニア工事に関する静岡県の専門部会が開かれ、大井川の水資源の項目についての議論が全て「対話完了」となりました。

久須美舞記者
「これから水問題に関する専門部会が開かれます。JR東海の提案に委員らの了承が出れば、着工に向け大きく進展することになります」

 リニア新幹線を巡っては、2013年JR東海がトンネル工事で対策を何もしなかった場合、大井川の流量が最大で毎秒2トン減ると試算。

 川勝前知事は静岡県外に流出する水の全量戻しを求めたものの、対応を明言しないJR東海を強く批判していました。

川勝前知事(2017年11月)
「なんという会社。なんという自然に対する冒涜か」

 その後、JR東海が田代ダムから水を取る量を抑えて大井川の水量を確保する、いわゆる「田代ダム案」を表明。
 翌年には大井川流域自治体と県がこれを了承していました。

 2日の会議では、この田代ダム案で取水抑制ができない状態が継続する場合の対応について議論。

 この他、JR東海が工事によるリスクの管理を踏まえた具体的なモニタリングの計画について説明し、委員らはいずれも了承しました。

 これにより水資源に関する県とJR東海との対話は全て完了し、着工に向けて残る課題はトンネル工事の発生土置き場と、生態系への影響、合わせて18項目となりました。

平木省副知事
「水資源に関しての専門部会としての対話が終了したというのは非常に大きなこと。専門的な知見をしっかりとJR東海に伝えて反映をしてもらうというプロセスについては丁寧にきめ細かにやっていきたい」

JR東海・静岡工事事務所・永長隆昭所長
「水資源の議論は非常に長い期間を要してきたが、これまで話してきたことをきちんとやっていくことが大事だと考えている」

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