市議会が市役所移転の条例案を否決 市長は、そして市民は… 静岡・三島市

静岡県三島市の市役所移転の条例案が市議会で否決されました。市長は再提案に意欲を見せていますが、地元の商店街からは安堵する声も聞かれました。
10日三島市は市議会に対し、現在の位置から南東におよそ900メートル離れた場所に庁舎を移転する条例案を提出しましたが、賛成が1票足りず否決されました。
三島市 豊岡武士市長:
「三島市が22世紀に向かって飛躍的な発展をするチャンスをなくしてしまった」
市が実施した1万人の市民アンケートでは、およそ6割が移転に賛成していて、今回の否決は「民意に反する結果」にも見えます。
市民は:
「中々それは難しい問題で、各議員さん思惑があるだろうから」
転入届を出しに来た人は:
「函南から来たんですけど、なんかちょっとちっちゃいなと思います。建物が」
市民は:
「積極的に建て替えてほしいとか、移転してほしいとは思ってはいないので。優先順位は高いところは他にあるとは思うので」
板垣亮記者:
「市役所の近くのこちらの商店街では、空洞化を懸念する声が聞かれました」
中央町商店会 谷村和男会長:
「自分たちが言ったことが通って良かったなとほっとしています。僕らは市役所城下町みたいな商店街だと思っているもんですから」
谷村さんは創業100年以上のハンコ店を営み、商店街の会長も務めています。
市が「移転跡地を利活用し、にぎわいを作る」としていることについても疑問を呈しています。
中央町商店会 谷村和男会長:
「ここら辺の商店街は、正直なこと言って微妙なバランスで店やっていると思うんですよ。大手の資本が来たら必ず食われちゃう。それが起爆剤になると言ってるんであれば、そうなのかなと思いますね。そんなことは絶対ならない。僕らは滅んでいくだけ」
市は2031年の新庁舎供用開始を目指していますが、遅れが生じる可能性が高くなっています。
三島市 豊岡武士市長:
「私は断念しておりませんし。市の職員も全く断念していないと思います。まず議員間でボールを投げ合っていただいて、条例出してこいよと言われる状況になってくださることを願っています」
