10代「パンダを巻き込まないで」 日中関係悪化の影響で53年ぶりに国内にパンダがいなくなる 静岡県では…

 台湾有事をめぐる高市総理の答弁をきっかけに、中国が渡航自粛を呼び掛けてから1カ月余り。

高市早苗総理大臣(17日):「日中間に懸案と課題があるからこそ、意思疎通が重要でございます。我が国としては、中国とのさまざまな対話については常にオープンでございます。今年の年末、割と多くの方が旅行をされると聞いております。日本人が日本各地を旅行することも大切ですし、本当に多様な国の方々が日本を訪れてくださる、そういったプロモーションにも力を入れていきたいなと考えております」

パンダ
パンダ

中国人観光客は2割以上減少

 11月に日本を訪れた外国人は351万8000人。今年は累計3900万人を突破し、早くも「過去最多」となりました。ただ、中国からの旅行客は10月と比べると2割以上減っています。都道府県別に宿泊した外国人に占める中国人の割合を調べたところ、最も多かったのは「静岡県」で、45%となりました。静岡県は、中国人観光客に人気の富士山があることに加えて、東京と京都・大阪をつなぐ、外国人観光客の定番旅行コース、「ゴールデンルート」上に位置します。

静岡県に宿泊した外国人の45%が中国人
静岡県に宿泊した外国人の45%が中国人

 はたして、県内の観光業への影響は…。

静岡県 鈴木康友知事(11日):「外交を通じて、しっかりと中国と今の関係を早く改善するように、政府として最善の努力をしていただきたいと思っています。(県内で)中国人の団体観光客の利用が多いような一部ホテルでキャンセル等が出ておりますけど、影響は限定的という状況です」

10代「パンダを巻き込まないで」 日中関係悪化の影響で53年ぶりに国内にパンダがいなくなる 静岡県では…

影響はパンダにも…

 冷え込みが続く日中関係の影響は、“パンダ外交”にも影を落としています。

 現在、日本国内にいるパンダは、上野動物園の、オスの「シャオシャオ」とメスの「レイレイ」の2頭だけ。そもそも、パンダは日本が中国からレンタルされていて、レンタル料は2頭で年間1億円以上とされています。上野動物園で生まれた双子の「シャオシャオ」と「レイレイ」は、来年2026年の2月20日が中国への返還期限でした。

 ところが、今週に入って、2頭の返還が来年1月下旬に早まる見通しが明らかに…。なぜ、1カ月前倒しされたのでしょうか。

都の担当者:「返還予定をギリギリで組むと、飛行機が飛ばなかったりすれば遅れてしまう。さらに、日本国内と中国国内で検疫をする必要があり、早めに返還を行う必要がある」

 日中関係悪化の影響については…。

都の担当者:「もともと1月下旬をめどに動いており、日中関係の悪化は特に関係はない」

10代「パンダを巻き込まないで」 日中関係悪化の影響で53年ぶりに国内にパンダがいなくなる 静岡県では…

静岡県民は

 2頭が返還されると、1972年以来53年ぶりにパンダが日本からいなくなります。東京都は日中関係の悪化は「関係ない」としたものの、静岡の街からは様々な意見が。

10代:「何か中国といざこざがあるので、それがやっぱ原因じゃないかなと思います。僕的にはそんなに(パンダは)必要ないんじゃないかなと思います」

「政治的にパンダを利用するのはすごく気分が悪い。中国らしいし、パンダは僕はいらない。中国人の人は別に何も悪くないけど、中国政府自体は今のやり方には大反対だし嫌いですよね」

30代:「やっぱ日本で見られるっていうのがいいなと思います。子どもが実際に見られるのがすごい大事かなと思うので」

10代:「(パンダを)あまり巻き込まないであげてほしいな」

80代:「(1億円は)ちょっと高すぎるよね。中国に結局は利用されているようなものではないですか。他のことに使ってもらいたい」

70代:「何か中国の、嫌がらせ以外の何物でもないような気がしますね。この問題だけじゃなくて、あらゆることについて、今高市さん猛スピードでやられていますからね。絶対そういう一連の関連の中の一つの出来事だとは思うんですけどね」

30代:「何か不思議だなって思います。何かそこ(政治)が連動するんだみたいな。別にパンダがいたからといって、あんまり生活に影響がないかなというか」

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