“レッサーパンダの聖地”に2年ぶり赤ちゃん…生後107日目の一般公開までに密着 静岡市立日本平動物園

 家族連れを中心ににぎわいをみせる静岡市の日本平動物園。ひときわ人気を集めていたのが…。

来園者:「あ~かわいい。尻尾短いね」「かわいいな」

 公開が始まったばかりのレッサーパンダの赤ちゃんです。

来園者:「可愛かった」「ちっちゃくて可愛かった」

レッサーパンダの赤ちゃん
レッサーパンダの赤ちゃん

 日本平動物園でレッサーパンダの赤ちゃんが生まれるのは2年ぶり。産声をあげたのは7月9日。メスの「ニコ」とオスの「和(かず)」の間に、メスの双子の赤ちゃんが誕生しました。1頭は肺炎のため死んでしまいましたが、もう1頭は順調に成長。

7月9日生まれ
7月9日生まれ

 お世話しているのは、担当歴4年・飼育員の中村あゆみさん。

日本平動物園飼育員 中村あゆみさん:「初日から自分でお母さんのところによじ登って、お乳を吸う姿が見られて、とても健康的な赤ちゃんだと思いました」

飼育員の中村あゆみさん
飼育員の中村あゆみさん

 7月18日、生後9日目。このときの体重は255グラム。体の毛は灰色で、レッサーパンダ特有のしましま柄はまだありません。

 なわばりをもち、群れをつくらずに単独行動を取るレッサーパンダ。巣箱の中で母親の「ニコ」が子育てに励みます。

生後9日目
生後9日目

丸まって寝たり、(生後21日目 7月30日)

生後21日目
生後21日目

「二コ」のお乳を飲んだり、すくすくと成長。(生後27日目 8月5日)

生後27日目
生後27日目

 生まれてから36日目(8月14日)。この日は体重測定。1カ月余りで、生まれた時の3倍ほどに。顔にもレッサーパンダらしい模様が出始めました。

生後36日目
生後36日目

 母親の「ニコ」は、今回が2回目の出産と育児。ほとんどお世話に手がかからないんだとか(生後50日目 8月28日)

飼育員 中村あゆみさん:「(ニコは)2回目の出産・育児なので、手慣れた様子で何事もそつなくこなしてくれています」

生後50日目
生後50日目

 生後57日目、この頃からよちよちと歩き始めるように。周りを警戒して鳴いています。

生後57日目
生後57日目

 もう顔にははっきりと縞(しま)模様が出てきて、短い尻尾も、しましまです(生後77日目 9月24日)。

 周囲のものに興味が湧くようになってくると、まだお乳しか飲めませんが、母親の「ニコ」が食べる竹の葉をくわえて遊ぶ様子も。

生後77日目
生後77日目

竹の葉を取りに行くのも飼育員の仕事

 この竹の葉を調達するのも、飼育員の仕事。毎日、裏山に竹の葉を取りに出かけます。

日本平動物園飼育員 中村あゆみさん:「竹の種類によっても食べる食べないがあるので、(1匹が)1日に1㎏以上食べると言われていて、うちの園には今、赤ちゃん入れて9頭、大人だけだと8頭いるんですけれど、大体15kgぐらい食べています」  

 1日分のえさ、およそ15キロを集め終えました。

裏山で竹の葉を採集する中村さん
裏山で竹の葉を採集する中村さん

日本平動物園飼育員 中村あゆみさん:「こちらガオガオ君は、レッサーパンダの中でも特に目の上の白い模様がくっきりとしているのが特徴でして、キリっとした顔つきをしているのが特徴になります。とっても食いしん坊です」

ガオガオ君
ガオガオ君

 毎日午前11時からは、「レッサーパンダのお食事タイム」。レッサーパンダの生態を紹介しつつ、お客さんが写真を撮りやすいようにと、気配りも忘れません。

お食事タイムには気配りも
お食事タイムには気配りも

 飼育員にとって大変なのが、掃除。展示の部屋と寝る部屋、あわせて8部屋を1日2回、16回も掃除します。

掃除は大変
掃除は大変

 “レッサーパンダの聖地”とも呼ばれる、日本平動物園。およそ40年前から、国内での繁殖において中心的役割を担っています。

日本平動物園 竹下秀人園長:「今、国内には約260頭のレッサーパンダがいます。それが約60の施設で飼われています。これらのレッサーパンダの適正な繁殖管理のために血統管理をしている」

竹下秀人園長
竹下秀人園長

 聖地に生まれた、2年ぶりの赤ちゃん。生後100日を過ぎ、好奇心はますます旺盛に。(生後105日目 10月22日)

生後105日目
生後105日目

 慣れない階段を慎重に降りる様子に…、木の棒の上もゆっくりゆっくり進みます。でも、時には大胆にジャンプ! 毎日できることが増えていきます。

生後107日目
生後107日目

 生まれてから107日目(10月24日)。ついに、一般公開の日を迎えました。

 赤ちゃんの姿を一目見ようと、たくさんのお客さんが。その様子を中村さんも見ていました。

日本平動物園 レッサーパンダ担当飼育員 中村あゆみさん:「室内展示室に今、赤ちゃんがいるお部屋に出した当初は、赤ちゃんはお客さんから見えない死角で休憩することが多くて、このままだったら公開してもお客さんから見えないんじゃないかと心配したんですけれど、今 高台の上で休憩する姿をたくさんの人に見てもらっているので、とても良かったです」

“レッサーパンダの聖地”に2年ぶり赤ちゃん…生後107日目の一般公開までに密着 静岡市立日本平動物園

 日本平動物園に生まれた、新たなアイドル。実は、まだ名前が決まっていません。園内の応募用紙のほか、ホームページからも募集しています。(応募は26日まで)