旧天龍林業事件について記者解説~浜松支局から中継
浜松支社の梅田記者お願いします。
梅田航平記者:
まず事件の概要について振り返ります。
こちら事件の概要を図に表したものです。
確定判決によりますと、
まず、事件は2006年、旧天竜市の中谷元市長が、
孫が通う天竜林業高校の北川元校長に、孫の進学について依頼。
その後、中谷元天竜市長の孫の成績が足りていないことがわかり、
北川元校長が、孫の担任に調査書の改ざんを指示し、
担任と副担任それを実行。
その後、孫は無事に進学でき、中谷元天竜市長が
お礼として、2回に渡り、現金計20万円を校長室で渡した
とされています。
今回、銀行から弁護団に開示された資料というのは、
この2回目の現金授受があったとされる時間帯に、
中谷元天竜市長が銀行で振込手続きを行っていたと証明するものだと弁護団は主張しています。
というのも、確定判決では、
2回目の金銭授受があったのは2007年12月10日の
午前11時すぎとしていているのですが、
開示された資料では、同じ日付の12時26分に
生命保険の振込手続き終えたことが記されています。
これまでに検察からは、
中谷元天竜市長がこの日の10時半から銀行で手続きを開始したという証拠資料が開示されていて、
弁護団は、
「中谷元天竜市長は10時半~12時26分まで、銀行にいて
同じ日の11時過ぎに校長室で現金を渡すのは不可能だと証明された」
としています。
この贈収賄事件では、お金を渡したとされる中谷元天竜市長も自白は強要されたものだとして無実を訴えています。
北川元校長の弁護団は、今回開示された銀行の新証拠などをもとに唯一の有罪の証拠とする中谷さんの自白の信ぴょう性を問い無罪を求めていくとしています。
一言受けて…
今後の展開はどのようになりそうですか?
梅田航平記者
きょうの会見で、弁護団長を務める海渡弁護士は
「これまで開示された証拠の中に、当時銀行で業務を行っていた
行員の調所から引用されていたものがあったことから、この行員の調所を検察が持っていることは明らかである」と話していて、
「行員の調所とともに、中谷さんが銀行で行った手続きに関する証拠を含め、全ての証拠開示を求める」としています。
また、弁護団はこの事件について、
中谷さんの自白が唯一の有罪の証拠としていて、
今回銀行から開示された新証拠をもとに、
この自白の信ぴょう性を問い、
1回目の現金授受などについても無罪を求めるとしています。