「犯人はみそ工場関係者や単独犯ではない」弁護団は袴田巌さんの犯行は不可能だと主張 再審第2回公判
いわゆる袴田事件の再審やり直しの裁判の第2回公判が静岡地裁で開かれ弁護団は冒頭陳述で「犯人はみそ工場関係者や単独犯ではない」
と袴田さんの犯行は不可能だと主張しました
袴田さんの姉 ひで子さん 浜松・中区 午前8時半すぎ:
「きょうは弁護士の反対の陳述というか、それだからちょっと面白いかなと思っている」
Q行くのが楽しみ?
「楽しみですね」
午前11時開廷
林輝彦アナウンサー 静岡地裁:
「裁判は午前11時に開廷し、袴田巌さんの姉、ひで子さんは少し硬い表情で裁判を見守っています。確定審で取り調べられた証拠のうち事件報道について報じられた新聞について現在検察と弁護団が意見を述べ合っています。」
1966年に旧清水市で起きた、いわゆる「袴田事件」をめぐっては、みそ会社の専務一家4人を殺害したなどとして袴田巌さんの死刑が確定しています。
10日静岡地裁では、10月27日に始まった「やり直し裁判」の
第2回公判が行われました。
巌さんはいつもと変わらない日常
10日も袴田さんは普段と変わらない日常を過ごしていました。
心神喪失の状態のため、裁判に出る事ことを免除されている袴田さん。
代わりに出廷する姉のひで子さんが、10日朝浜松市の自宅前で報道陣に袴田さんの様子を語りました。
袴田さんの姉 ひで子さん:
「何も言わないけど、様子で分かるでしょう。だから起きてご飯食べている時に、「きょうは静岡行ってくる」といったら「ああ、そう」って言っていました。みんながバタバタして、みんなが出たり入ったりするでしょう。だから何か感じているのよね。裁判だと思って静岡行くと言えば、裁判だと思っている。たぶんうすうす分かっていると思う。はっきりは分からんが。そんなわけ。」
午前10時半。
弁護団とともに静岡地裁に入っていく袴田巌さんの姉、ひで子さん。
前回の初公判で検察は犯人がみそ工場にあった雨合羽を着て犯行現場に行き、ポケットからは凶器とされるくり小刀が見つかったことから、犯人はみそ工場の関係者で、袴田さんは証拠から推認される犯人の行動がとれたと主張しています。
この主張に対し、10の第2回公判では弁護側が冒頭陳述を行いました。
「そもそも雨も降っていない中、重くてゴワゴワと音がする雨合羽など、夜中に侵入しようとするものが着用するでしょうか? 理由がありません。」
「くり小刀にはつばがありません。
被害者らには40カ所にも及ぶ刺傷等があったというのですから、犯人の手のひらは血で滑ってしまうはずです。」
弁護団は、「犯人はみそ工場の関係者や単独犯ではなく、外部から侵入した複数犯」などと袴田さんの犯行ではないと強調しました。