袴田巌さんの再審無罪判決を受けた検事総長の「到底承服できない」とする談話は名誉棄損に当たるとして慰謝料などを求め国を提訴 袴田巌さん弁護団

袴田巌さんの再審無罪判決を受け、検事総長が発表した「到底承服できない」とする談話について、弁護団が名誉棄損にあたるとして慰謝料や謝罪広告の掲載を求め国を提訴しました。
1966年旧清水市で、一家4人が殺害された事件で、袴田巌さんの再審無罪が2024年確定。
これを受けて検察のトップ畝本直美検事総長は「判決は到底承服できないものであり、控訴して上級審の判断を仰ぐべき」という談話を発表しました。
この談話が名誉毀損にあたるとして袴田さんの弁護団は国を提訴しました。
訴状によりますと、慰謝料500万円の支払いや、最高検察庁のホームページに謝罪広告を掲載することを求めています。
袴田さん弁護団小川秀世弁護団長
「検事総長がこういうことを堂々と発表すること自体が本当に許しがたいことだという、そういう怒りですね。だからすぐにこのことについては国賠をやろうということで、意思は決まっていたと私は思っている」
提訴について袴田さんの姉ひで子さんは。
袴田さんの姉 ひで子さん
「(検事総長は)職業柄言わざるを得なかったのかなと思っている。これからも後に続く人たちがいるので、弁護士には頑張ってもらいたい」
最高検は「訴状が届いておらずコメントすることはありません」としています。
弁護団は袴田さんが長期間精神的苦痛を受けたとして、国と静岡県に対しおよそ6億円の損害賠償を求めて10月提訴する方針です。