心をほぐす本場讃岐うどんの奥深き世界 長泉町「福梅」

 ひときわ温かな空気をまとった一軒のうどん店が長泉町納米里にある。「さぬきうどん 福梅」。創業から24年、地元の人々に愛され続ける讃岐うどんの名店だ。
 店を切り盛りするのは、二代目店主の竹森正芳さん。父が四国で修業を積み、母とともに立ち上げたこの店を、10年前に引き継いだ。
 定番の「きつねうどん」は、まさに福梅の顔。丼を覆うように鎮座するのは、国産大豆で作られた大判のお揚げ。しょうゆベースの甘じょっぱい味付けで、じゅわっと染み出す旨みがたまらない。出汁とお揚げの相性は言わずもがな。まるで春の陽だまりのような、やさしさに満ちた一杯だ。

きつねうどん(980円)
きつねうどん(980円)

 毎朝の製麺する麺は本場香川から仕入れた小麦粉「讃岐すずらん」を使用。やや太めに打たれたうどんは、もちもちとした弾力と、つるりとしたのどごしが絶妙なバランス。出汁は、北海道利尻産の昆布に、国産煮干し、混合節、花カツオの四重奏。ひと口すすると、ふわりと広がる旨みの余韻に、思わず目を閉じたくなる。

麺ののどごしは最高だ
麺ののどごしは最高だ

 もうひとつの人気メニューが「釜玉うどん」。茹でたてのうどんに生卵を落とし、キリッとした生醤油をひとたらし。水で締めない分、コシよりもモチモチ感が際立ち、卵が絡んでふわりとまろやか。薬味を加えれば、味の変化も楽しめる。シンプルゆえに、素材と技の確かさが際立つ一杯だ。

釜玉うどん(690円)
釜玉うどん(690円)

 春の足音が聞こえ始める頃、登場するのが「梅ぶっかけうどん」。冷たいうどんの上に、天かすと紀州南高梅のペーストをたっぷり。蔵元から取り寄せた梅は、甘みと酸味のバランスが絶妙で、食欲をそそる香りが鼻腔をくすぐる。混ぜてすすると、梅の爽やかさと出汁の旨みが一体となり、春の息吹を感じさせてくれる。

梅ぶっかけうどん(980円)
梅ぶっかけうどん(980円)

 そして、春の主役が「桜鯛のあんかけうどん」。旬の桜鯛を丁寧に炊き、菜の花と卵でとじたあんかけ仕立て。レモンの酸味がアクセントになり、鯛の上品な風味を引き立てる。ほろ苦い菜の花とともに味わえば、春の訪れを五感で感じられる。

桜鯛のトロ~リあんかけうどん(1250円)※季節限定
桜鯛のトロ~リあんかけうどん(1250円)※季節限定

 四季折々の表情を見せる「福梅」のうどんは、ただの食事ではない。日々の暮らしに寄り添い、心をほぐす一杯なのだ。

心をほぐす本場讃岐うどんの奥深き世界 長泉町「福梅」

さぬきうどん 福梅
長泉町納米里68-7
電話番号:055-987-0271
定休日:水曜日・第3木曜日
営業時間:11:00-14:30 /17:00-20:00 L.O.19:45
Pあり