辛さの奥に野菜の甘み、ご飯を誘うスンドゥブ 浜松市「韓国料理 とうがらし」

 真っ赤なスープを前に、辛さだけを覚悟する必要はない。野菜から取ったスープには甘みがあり、やわらかな豆腐やキノコも入る。浜松市中央区市野町で12年続く「韓国料理 とうがらし」は、韓国で親しまれる料理を洗練し、落ち着いた空間で提供する店。仕切りのあるテーブル席や座敷を備え、女性客や家族連れがゆっくり食事を楽しんでいる。
 ランチの人気メニューは「スンドゥブチゲ定食」。店長のソン・ザヒョンさんによれば、中国料理の麻婆豆腐にも似ているが、とろみのある餡ではなく、スープとして食べる料理だ。ハクサイ、ネギ、ニンニク、唐辛子を使った野菜スープを土台に、シメジとやわらかな豆腐を加える。使う唐辛子は赤と青の2種類。異なる辛みを合わせることで、どちらか一方が突出しないよう整えている。辛さは調節できるため、刺激が得意でない人も選びやすい。

スンドゥブチゲ定食(1050円)
スンドゥブチゲ定食(1050円)

 スープへご飯を浸すのが店のおすすめ。米の甘みが唐辛子の刺激を和らげ、辛いスープを最後まで楽しみやすくする。定食には、モヤシ、小松菜、ゴボウのナムル3種類も付く。熱いチゲの合間に野菜をつまみ、ご飯をスープへ運ぶ。季節を問わず注文が絶えないというのも、辛さだけでは終わらない食べ方に理由がありそうだ。

ご飯を浸すことを迷うことなかれ
ご飯を浸すことを迷うことなかれ

 穏やかな温かさを求めるなら「クッパ定食」。牛すね肉と骨をじっくり煮出したスープに、薄く切ったすね肉、春雨、少量のニンニクを加える。韓国に数多くあるクッパの中でも、肉を中心にした雑炊のような一品だという。牛肉のだしを含んだスープはまろやかで、自家製キムチのほのかな酸味と辛みが味に変化をつける。

クッパ定食(1500円)
クッパ定食(1500円)

 何人かで囲みたいのは「海鮮チヂミ」。ニラ、ネギ、タマネギ、ニンジンに、エビ、アサリ、イカ、ホタテを合わせる。焼けた表面はカリッとし、内側にはもちっとした食感を残す。海鮮の旨みと野菜の甘さを一枚に収め、切り分けながら食べられる量感もある。定食にもう一品加えるなら、テーブルの中央に置きたい。

海鮮チヂミ(1650円)
海鮮チヂミ(1650円)

 「ケランチム」は、韓国の家庭でも親しまれている卵料理。だしを効かせ、ふわふわとした口当たりに仕上げる。刺激のあるスンドゥブや、香ばしいチヂミの間に食べれば、卵のやさしい味が口を休ませる。派手な具材に頼らず、だしと食感で楽しませる家庭料理だ。

ケランチム(880円)
ケランチム(880円)

 ソンさんが望むのは、客が元気になり、笑顔で気持ちよく帰れる店。本場の食材や辛さを伝えるだけではなく、辛さの調節や多彩な家庭料理によって、誰と訪れても食卓を囲めるようにしている。とうがらしという名から想像する刺激の先には、体を温めるスープと、家族で分け合える料理が待っている。

辛さの奥に野菜の甘み、ご飯を誘うスンドゥブ 浜松市「韓国料理 とうがらし」

韓国料理 とうがらし
住所:浜松市中央区市野町1568
電話番号:053-589-4033
定休日:月曜日
営業時間:11:00-14:00 / 18:00-22:00
Pあり