表はしっかり、裏はさっと。仙台仕込みの厚切り牛たん 静岡市「こもれび食堂」

 表面はしっかり焼き、裏面はさっと火を通す。目安は表7、裏3。静岡市駿河区八幡の裏通りに店を構える「こもれび食堂」は、仙台で修業した平島幹也店長が腕を振るう、牛たん中心の定食屋だ。オープンから11年。落ち着いた店内で、厚切りの牛たんを気負わず味わえる。
 1番人気は「牛たん焼き定食」。赤身と霜降りがバランスよく入った、やわらかな牛たんを分厚く切る。塩を振ってから1日以上置き、余分な水分を出して臭みを抑えるのは、平島店長が仙台で学んだ方法だ。表面には香ばしい焼き色をつけながら、裏側は加熱しすぎない。厚みがあっても歯切れはよく、サクッと噛み切った後から肉汁と旨みが現れる。強火で一気に焼くだけでは出せない食感に、修業先で身に付けた火入れが生きている。

本場仙台仕込みの牛タン焼き
本場仙台仕込みの牛タン焼き

 定食には日替わりの前菜、サラダ、スープが付く。前菜の中でも注目したいのが、しっとりした手作り豆腐。サラダには、甘みの強い自家製ニンジンドレッシングを合わせる。スープは牛たんから取っただしが決め手で、口当たりはさっぱりしているが、味には濃さがある。主菜だけで押し切らず、豆腐や野菜、温かなスープを間に挟めるのもうれしい。

定食には3つのアラカルトが
定食には3つのアラカルトが

 歯応えのある肉が苦手なら、「牛たん やわらか焼き定食」を選びたい。牛たんと香味野菜を弱火で最低6時間煮込み、食べやすい大きさに切ってから表面を焼く。外側はカリッと香ばしく、中はふわりとやわらかい。箸を入れると身がほろほろと崩れ、高齢の客からも食べやすいと好評だという。焼くだけでは得られない口当たりで、牛たんの楽しみ方を広げてくれる。

口当たりはほろり
口当たりはほろり

 「牛たんシチュー定食」は、自家製デミグラスソースで煮込む。赤ワインを効かせた上品なレストランの味ではなく、定食屋として白いご飯が欲しくなる家庭的なシチューを目指しているという。濃厚なソースをまとった牛たんを、ご飯と一緒にしっかり食べる。店の立ち位置が分かりやすく表れた一品だ。

牛たんシチュー定食(1700円)
牛たんシチュー定食(1700円)

 牛たん以外では、リピーターが多い「マグロはらも焼き定食」がある。みりんに漬けるのは、脂が豊かなマグロの大トロ部分。グリルで香ばしく焼けば、脂の旨みとみりんの甘みが白いご飯によく合う。魚料理にも定食屋らしい満足感を持たせている。

マグロはらも焼き定食(1000円)
マグロはらも焼き定食(1000円)

 厚切りの歯応えを楽しむか、長時間煮込んだやわらかさを選ぶか。シチューで家庭的に味わう手もある。仙台で磨いた技術を土台にしながら、年齢や好みに応じて牛たんを楽しめるのが、こもれび食堂のよさだ。裏通りの穏やかな店内で、まずは人気の厚切りから確かめたい。

表はしっかり、裏はさっと。仙台仕込みの厚切り牛たん 静岡市「こもれび食堂」

こもれび食堂
住所:静岡市駿河区八幡2-8-1
電話番号:054-269-6706
定休日:不定休 ※電話でご確認ください。
営業時間:11:30-15:00/17:00-21:00
P3台