「嫌ならどこにでも行って」…園長も保護者とトラブル 解雇の保育士は去年も不適切な言動 浜松市の認可保育園

 浜松市の認可保育園で、保育士が園児に不適切な保育をしていた問題で、園長らも度々、保護者とトラブルを起こしていたことがわかりました。また問題の保育士は、去年も不適切な言動で指導を受けていたことも新たに判明しました。

園長「嫌ならどこにでも…」

●園長と保護者
園長:「おかあさん、ここ気に入らないならどこへでも行ってください」

 これは過去の保護者と園長とのトラブルの録音音声です。園長は保護者に転園を迫っています。

●園長と保護者
保護者:「何回も私に園を変われと言ってくる。そういうのは、どうなんですか?」

園長:「嫌なら行けばいいじゃない、どこでも」

 録音されたのは、女性保育士による不適切保育が明らかになった浜松市西区の大平台わかくさ保育園です。この保育園を巡っては、女性保育士が今年担当する0歳児クラスの園児8人全員に対し、大声で名前を呼び捨てにする園児の意思に反して、食べ物を口に入れるなど4つの行為のいずれかをしていたことが確認されています。

園長「嫌ならどこにでも…」

「表に出たのは氷山の一角」

 さらにこの園を巡って新たな疑惑が…。

園に子どもを通わせていた保護者:「『もうお宅の子はうちじゃ見れないから、もう辞めて他の園に行ってくれ』って、(園長に)強い口調で言われれた。1回、2回じゃなかった」
 
 2020年までの3年間、この保育園に子どもを預けていたこちらの保護者。園長から子どもの発達が遅いと指摘され、園に不信感を抱き、子どもを転園させました。

園に子どもを通わせていた保護者:「(今回の問題が)ようやく(表に)出たかみたいな。ついに明るみに出たかみたいな。それが氷山の一角で、その背景にはもっといろいろあると思うし、自分の家がそうだったから」

 他にも複数の保護者が転園を迫られたことがあると話します。また保護者によると、ここ数年で多くの保育士が退職しているといいます。

「氷山の一角」

当事者がいない保護者説明会

 今回発覚した不適切保育問題で、園は園長の辞任と当該保育士の解雇を発表。

 先週には保護者説明会も開きましたが…

「この度は私どもの管理不行き届き、誠に申し訳ありませんでした」

司会:「園長は心身ともに消耗している。高齢でもあり、ここで失礼させてください」

 園長は謝罪をすると理事長とともに退席。当該保育士は会見に出ず、当事者不在の説明会となりました。

保護者 :「真っ先に園長と理事長が退席されたことも、年齢と病気を理由に逃げたとしか思えない」

保護者:「実際現場にいた方が誰もいらっしゃらない中で、説明いただいてもなかなか難しいと思う」

園長と理事長は早々と退席

 さらに理事長の不適切行為を指摘する保護者も。

保護者:「理事長ですけど、複数の保護者に複数回怒鳴りつけたり、クラクションを鳴らしたり威嚇をする行為が複数回ある。これについてはどう考えますか?」

園側:「今、お答えできませんが、確認してお答えさせていただきます」

大平台わかくさ保育園

 今回の不適切保育について、園は「他の保育士らから報告があったが、園長、主任保育士の認識が甘く、適切な対処を行えなかった」などとコメントを発表。その一方で、園長らと保護者のトラブルについて取材を申し込みましたが、現在までに回答はありません。

 さらに解雇された女性保育士は、去年にも不適切な言動をしたとして、浜松市が園に口頭指導をしていたことが、市などへの取材で新たに判明しました。

 こうした事態を受け、浜松市は「都度対応をしてきたが、結果として園の中で改善されていなかったことが残念」とコメント。園から提出された報告書や動画データを精査し、今後の処分を検討するとしています。

去年にも不適切な言動