バスの運転手不足解消へ東部のバス会社3社がタッグ 運転体験会 静岡・沼津市

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 運転手不足の解消が喫緊の課題となっているバス業界。6月、沼津市で課題解決に向けた初めての取り組みが行われました。

難波亮太記者:
「県東部、伊豆半島の地域の足を支える三つのバス会社。普段はライバル同士ですがきょうだけは手を組み
ます」

 三島市に本社を置く伊豆箱根バス。伊東市が本社の東海バス。そして沼津市の富士急シティバス。3社の路線網は県東部、伊豆半島をほとんど網羅していて年間の輸送人員は合わせておよそ1400万人。

 地域にとって欠かせない交通インフラですが、3社を含むバス業界が現在直面しているのがー。

伊豆箱根バス 鈴木涼さん:
「静岡県東部でバスの運転手不足が進む中で、(伊豆箱根バスでは)10年前に比べて約2割ほど乗務員が減少している現状です」

 慢性的な人手不足に加え、運転手の労働時間の規制・いわゆる2024年問題に対応するため、人材確保が急務になっているのです。

 実際、伊豆箱根バスは10年前に212人いた運転手が現在では167人に。ほかの2社も同じ状況で富士急シティバスは利用者の減少などもあり、1日あたりのバスの稼働台数はおよそ3割減っています。そんな現状を打破しようと3社が合同で初めて会社説明会とバスの運転体験会を開いたのです。

 運転体験では大型免許を持っていない人も、自動車学校の教官の指示に従って慎重にハンドルを切り、教習所のコースを走ります。

教官:
「もう少し前で(ハンドル)を切ると」

参加者(都内 56歳):
「そうですね10年ぶりにやると・・・」
「定年後の就職をバス関係でできるかなという形でバス体験があったので参加させていただいた。バスの車幅が大きいので感覚が久しぶりに緊張しました」

参加者(函南町41歳):
「最近ニュースでも人手不足だったりですとか、ドライバーさんの2024年問題だったりを目にするのでそういったところでも自分が一つ貢献できたらなと思っています」

 この日参加したのは県内外から41人。中には女性の姿もー。ほかにも実際に街中を走るバスの運転席に座り会社の説明を聞くなど熱心な様子でした。

富士急シティバス 木口典久営業所長:
「働く仲間が今パイとして少ないわけですから今回こうやって発掘していこうという中で(3社で)奪い合いとかじゃなくて、3社でやるという部分では非常に間口としては大きくなる」

東海バス 岡田圭祐課長:
「コロナ禍を経てインバウンド含め多くのお客様が戻ってきておりますので、運転手さん多数入っていただいてニーズにこたえていけたらいいんじゃないかなと思っています」

 3社は今後もこうした取り組みを続け、人材確保につなげたい考えです。

伊豆箱根バス管理課 鈴木涼さん:
「少しでもバスの運転の魅力あるいはバス運転手の待遇面など説明する機会をいただいて一人でも多くバス運転手を目指したいと思っていただける方が増えればとてもうれしく思います」