旧マッケンジー住宅の改修工事終了 夫妻のもてなしの心を受け継ぎ レストランやミュージックホール建設へ 静岡市

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静岡市の海岸沿いにある旧マッケンジー住宅の改修工事が終わり今後は民間の力でレストランやミュージックホールとして活用されます。その住宅を取材しました。

 駿河湾を望む海岸沿いに1940年に建てられた旧マッケンジー住宅。

 アメリカ人で茶貿易商のダンカン・マッケンジーと社会福祉に貢献したエミリー・マッケンジーの夫妻が暮らした旧宅です。

 戦前に建てられた洋館は珍しく、赤い西洋瓦葺き屋根と荒い白い壁が特徴のスパニッシュスタイルです。

 1997年に国の登録有形文化財になりました。

 しかし築80年以上が経った住宅の劣化が激しくなったため静岡市は2023年6月から改修工事を始めました。

1階居間

 2025年3月に美しく生まれ変わり一般公開が再開しています。

静岡市歴史文化課 梶山倫裕係長:
「こちらは居間でマッケンジー夫妻が客をもてなした部屋です。まだ計画の段階ではありますが、来た人の
おもてなしの部屋として使っていくような計画です」

 今後は住宅の歴史的価値や魅力をさらに発信しようと、都内でブライダルを手掛ける民間事業者が市から委託を受けてここを運営することになりました。

 敷地にレストランやミュージックホールを造り、結婚式場としても利用していくといいます。

 そして住宅1階の居間や食堂は訪れた人がくつろいだり結婚式場の待合スペースとして活用したりします。

マッケンジー夫妻
マッケンジー夫妻

夫婦の資料

 静岡茶の販路を拡大し、世界に静岡茶の魅力を発信し続けたダンカンと、私財を投じて乳児院を造り静岡市名誉市民第1号になったエミリー。

 夫婦が使用していたタイプライターなど、貴重な資料はこれまで通り自由に見ることができます。

 地元の子どもたちを招いてクリスマス会を開くなど2人はもてなしの心を大切にしていました。

夫婦が使用していたタイプライター
夫婦が使用していたタイプライター

2階

 その心が2階に行くと感じ取れます。

静岡市歴史文化課 梶山倫裕係長:
「こちらが客室で北東側に位置していますが、ちょうどあちらの方向に富士山が見えるような間取りになっていて、当時ここを訪ねてきた客にこの立派な富士山を見てもらおうということで、こうした間取りになっているのではないかと思います」

 現在は近くの木が生い茂り視界を遮っていますが、市は富士山が見えるよう、今後整備することにしています。

静岡市歴史文化課 梶山倫裕係長:
「海と富士山という雄大な時間が流れる時をマッケンジー夫妻が楽しむだけでなく、ここを訪れた人にも楽しんでもらおうという気持ちが伝わってきます。おもてなしの心だと思います」

 客室など2階の各部屋には、今後マッケンジー夫婦の静岡での活動の様子などを収めた写真などが展示されるということです。

静岡市歴史文化課 梶山倫裕係長:
「この建物が今後さらに色々な人たちの愛着や親しみが深まり、これからも思い出あふれる文化財になっていくことを期待します」

 レストランとミュージックホールは2026年3月にオープンする予定です。

2階客間
2階客間