【リニア】55年前の大阪万博で披露された模型…開業は最短でも2036年以降か

 半世紀以上研究がすすむリニア新幹線。1970年の大阪万博で原型となる模型が展示され、それ以降“未来の乗り物”として長年期待されてきました。そんな万博とつながりの深いリニアは、今回の大阪・関西万博でも…。

【リニア】55年前の大阪万博で披露された模型…開業は最短でも2036年以降か

JR東海 丹羽俊介社長(5月21日):「本当に多くの方々の尽力・様々な情熱でここまでようやく来たので、
今、ワクワクしている」

 5月21日、万博で行われたのはリニアをテーマとしたトークイベント。JR東海の丹羽俊介社長や、有識者らが参加し、リニアが社会にもたらす効果について議論が交わされました。

JR東海 丹羽俊介社長(5月21日):「南海トラフ地震、非常に巨大だということで今東海道新幹線が一本で担っている日本の大動脈輸送を、複数の系列で作っていくことが必要であると思っている」

【リニア】55年前の大阪万博で披露された模型…開業は最短でも2036年以降か

 大きなテーマの1つが、災害に対応する日本の大動脈の二重系化です。品川‐名古屋間のおよそ86%がトンネルのリニア新幹線。地下は地震が起きても揺れが小さいといわれることや雨や風に左右されにくいことを丹羽社長はアピール。

 有識者からは…。

世界経済フォーラム日本代表 石黒不二代氏:「極端な災害が起きた時に、いかにその負を小さくしていくか。もしくはその結果、コストを削減できるかがキーになってくると思う」

 将来的には品川と名古屋を40分で結ぶことになるリニア。当初は2027年の開業を目指していましたが…。

【リニア】55年前の大阪万博で披露された模型…開業は最短でも2036年以降か

未着工の静岡工区は

静岡・川勝平太知事(当時・2017年):「何のメリットもないリニア新幹線など、静岡県にはいらないんです」

【リニア】55年前の大阪万博で披露された模型…開業は最短でも2036年以降か

 大井川の水をめぐるいわゆる“静岡問題”が明るみに。南アルプスの工事を慎重に進めるため、現状、開業は最短でも2036年以降の見通しとなっています。ただ、県の専門部会で「水資源」についての対話が完了。県民に注目されていた「大井川の水問題」は事実上クリアとなりました。これに、周辺自治体のトップ達は…。

【リニア】55年前の大阪万博で披露された模型…開業は最短でも2036年以降か

島田市・染谷絹代市長(5日):「科学的工学的な議論はすんだかもしれないけれど、政治的な議論は済んでいないんですよね。こちらについてこれから国・県・JR東海、そして流域自治体と話をする機会があったらいいなと思います」

【リニア】55年前の大阪万博で披露された模型…開業は最短でも2036年以降か

 当時、副知事としてリニアの陣頭指揮を執っていた静岡市の難波市長は、JR東海の当初の対応を厳しく批判しました。

静岡市・難波喬司市長(5日):「(JR東海は)影響はないと最初おっしゃっていたんですよね。だからそこは 1番の問題で、やっと少し対話ができる状況だったわけですけど、それからもう随分時間がかかりましたけど」

【リニア】55年前の大阪万博で披露された模型…開業は最短でも2036年以降か

 今後は残土問題や生物多様性の議論が進む“静岡問題”沿線県でも工事の遅れが起こる中、半世紀越しの“未来の乗り物”は今後どうなっていくのでしょうか。