富士山遭難者の救助の自己負担問題 静岡県「冬山が自己負担なら夏も自己負担」 県議会委員会で見解

 閉山中の富士山で遭難した際の救助費用を自己負担にすべきか議論が進む中、30日の静岡県議会文化観光委員会で、県は閉山中が自己負担になる場合は、夏山シーズンも同じようにすべきとの考えを示しました。

 「自己負担」議論の大きなきっかけは2カ月前。中国籍の男子大学生が閉山中の富士山に登って遭難し、山梨県の防災ヘリが救助しました。ところが、その4日後にもこの大学生は携帯電話などを取りに再び入山して遭難、静岡県警の山岳救助隊が出動して2度目の救助に。
 
 これを受け、山梨県は閉山中の防災ヘリでの救助について有料化を検討。静岡県側でも富士宮市の須藤秀忠市長が鈴木康友知事に「自己負担にするよう」要望しています。

富士山遭難者の救助の自己負担問題 静岡県「冬山が自己負担なら夏も自己負担」 県議会委員会で見解

 この問題について30日の静岡県議会文化観光委員会で質疑がありました。

ふじのくに県民クラブ 阿部卓也県議:「もし冬山が有料化された場合、夏山も全部有料化になるという基本的な考えか」

静岡県富士山世界遺産課 大石正幸課長:「制度が変わって仮に(救助費用が)求められるということになれば、夏山・冬山というのは区分はないものと考えてはいます」

 県はヘリコプターでの救助費用は、閉山中、夏山シーズン中ともに有料化すべきとの考えを示しました。救助費用の自己負担を巡っては、鈴木知事も「閉山中は妥当なものだと思う」との考えを示しています。

静岡県議会文化観光委員会
静岡県議会文化観光委員会