依然高止まりが続くコメの価格 コメ農家が明かすコメの価格の“実態”と新たな方法で増産に取り組むコメ農家

依然高止まりが続くコメの価格。そうした中、静岡県内では新米の収穫が始まっています。コメ農家が明かした、今年の“実態”とは。
古賀りなアナウンサー
「新米の季節を迎え、こちらではコシヒカリの収穫が行われています。JAに出荷をするということなんですが、今年の概算金はどうなったのでしょうか?」
袋井市の田んぼで行われていたのは、「静岡コシヒカリ」の収穫作業。
今年は、80トン以上の収穫を見込んでいるといいます。
田圃家穂波 鈴木 康功社長
「今年も猛暑ですけど開花期にすごい猛暑にあたったということもなく順調に進んでいるのではないかなと感じています」
毎年、JAにコメを卸している鈴木さん。
今年はコシヒカリ60キロ(1俵)あたりで概算金が2万4000円と、去年の1万5600円からおよそ1万円アップしたといいます。
しかし、民間の卸売業者からは、3万円ほどの提示額も・・・。
田圃家穂波 鈴木 康功社長
「差がありすぎるので農協(JA)さんにはすぐにバックしたんですけど、最終清算で一般の業者さんと同じになるように、同じかそれを超えられるような努力・確約をするということで最終的には3万円前後の米価・農家ベースの玄米の価格になると思います今年は。そのようじゃないとJAにはおコメ出せないですよね」
出荷時の仮払金である「概算金」と販売終了後に販売額から概算金や経費などを差し引いて、追加で支払われる「清算金」。
この2つを合わせて、民間の卸売業者の額と同等にするとJAから話があったといいます。
金額面に加え、取引への安心感などから今年もJAに卸すことを決めました。
Qこの価格というのは適正価格だと思う?
田圃家穂波 鈴木 康功社長
「スーパーだと3800円から4000円超えたぐらいで推移していると思うんですけど、農家サイドでいうと今年ぐらいあれば、例えば自分の子供たちや今の10代20代の人たちが農業をやってみようかなという気持ちの価格だと思っています」
農林水産省によると、全国のスーパーおよそ1000店舗で、
8月24日までの1週間に販売されたコメ5キロあたりの平均販売価格は、前の週と比べて28円安い3776円。
3週ぶりの値下がりです。
ただ、銘柄米は3週連続で値上がりしていて、4272円と高止まりしています。

そんな中、“ある栽培方法”で、コメの増産に取り組む農家が浜松市にいます。
Qこちらは今どういった状況ですか?
じゅんちゃんファーム 宮本純社長
「再生二期作に取り組んでいる田んぼで、一回目の刈り取りが終わった状態なんですね。もう一回水を張って、追加の肥料を撒いて、2か月かけて11月にもう一回収穫しちゃおうという」
「再生二期作」とは、1つの稲から1年間に2回コメを収穫できる栽培方法のこと。
浜松市内の田んぼで立派な黄金色の穂を実らせていたのは、暑さに強い品種「にじのきらめき」です。
古賀りなアナウンサー
「一つ一つ見ると粒が大きくてぎっしり詰まっている感じありますね」
現在は、稲刈りの真っ最中。
去年は1回目の収穫で50トンほどでしたが、今年は、60トン以上の収穫を見込んでいて、生育は良好。
切り株からはすでに・・・。
じゅんちゃんファーム 宮本純社長
「ああ、出てますね~。このひこばえと呼ばれるちょんちょんかわいいタケノコの赤ちゃんみたいなのが出てますよね」
この芽を育てることで、2か月後の11月ごろに、2回目の収穫を行うことができるということです。
「じゅんちゃんファーム」では地元の運送会社と手を組み、新米を送料込み4000円以下で、自宅に届ける取り組みを行っていくとしています。
じゅんちゃんファーム 宮本純社長
「消費者の方、高騰していてお困りの方たくさんいると思いますので、生産者の所得も向上させるけど、市場に供給するお米の価格も若干なりでも安定し、供給することで社会に貢献できる」
