37年ぶりにオープンした映画館で映画文化を盛り上げるイベント 静岡・伊東市

 静岡県伊東市に、37年ぶりにオープンした映画館で、映画文化を盛り上げるイベントが行われました。

 9月に誕生した16席だけのミニシアター「金星シネマ」。2年前に東京から伊東市に移住した館長の梅澤舞佳さんが、市の起業支援制度を活用してつくりました。

 実際に製作現場で働いていた事もあって、映画文化に対する強い思い入れがあります。

●金星シネマ 梅澤舞佳館長:
「地元、静岡を盛り上げられるような作品が上映出来たらなと」

 上映中のドキュメンタリー映画「夢を喰うTHE WRESTLER」は、1984年のロスオリンピック・レスリング57キロ級の金メダリスト・富山英明さんの生き様を描きます。

 富山さんの姿を通して「人は人生に何を求め、何を遺そうとしているのか」を問いかける作品です。

 上映後にはトークイベントが行われ、主演で、現在は日本レスリング協会会長を務める富山さんと、三島市出身の藤森圭太郎監督、そして、伊東市出身でレスリングU17アジア選手権・銀メダリストの山本はるあ選手が登壇しました。

●日本レスリング協会 富山英明会長:
「まさか映画になるとは想像してなかった。少しでもレスリングを分かって頂けたら良いのかなと思って」

 話題は静岡県東部の映画文化にも及びました。

●藤森監督:
「何より映画館で地元の伊東市にある場所で映画を見てもらいたかったのが一番だったので、いかがでした?映画館で映画を見るのは?」

●東京 安部学院高校1年 山本はるあ選手
「いつもはスマホで見ることが多いので、映画館で見るとその時の雰囲気や迫力が出て楽しかったです」

 地元の人たちのコミュニティの場として「まちの映画館」を目指す梅澤館長。今回のトークイベントに手応えを感じたようです。

●梅澤館長:
「近い距離で出演者や監督の話が聞けるのは、うちの雰囲気に合っているかなと今回やらせて頂いたが、すごく良かったと思います。賑やかで(笑い)」

 歩みを始めたばかりの金星シネマ。14日でオープンからちょうど3カ月を迎えます。

●梅澤館長:
「この伊東という街にこの映画館がちょっと混ざり始めているのかなと感じられてうれしいです」

 映画「夢を喰う」は15日まで上映されています。