駿河湾の恵みを頬張る 市場の旬が彩る食卓 「沼津魚市場食堂」

 駿河湾の魚たちが次々と水揚げされる沼津港。港町らしい豪快な食事を味わえるのが「沼津魚市場食堂」だ。店があるのは魚の卸売市場と飲食店が一体となった水産複合施設の2階。大きな窓からは駿河湾や伊豆半島を望むことができ、まるで港の中で食事をしているような臨場感がある。
 店内では、その日の朝に仕入れたばかりの魚が次々と調理されていく。アジフライや刺身はもちろん、トロール漁が始まるこの季節は深海魚の料理も豊富で、市場の旬がそのまま食卓に並ぶ。
 看板メニューのひとつが「まぐろてんこ盛り丼」。1日限定10食、なんと総量500グラムのマグロが山のように盛り付けられる。マグロをさばく際に出る切れ端を無駄にせず集めた一杯で、赤身の旨みがぎゅっと詰まる。ひと口ごとにしっとりとした甘みが広がり、港町らしい贅沢を実感できる。

まぐろてんこ盛り丼(1980円)※仕入れ次第、10食限定
まぐろてんこ盛り丼(1980円)※仕入れ次第、10食限定

 もうひとつの人気が、日替わりの刺身と天ぷらを一度に楽しめるいろどり定食。取材に訪れた日の刺身は白ムツの姿造りに本マグロ、サゴシの炙り、マダイの4種。天ぷらには太刀魚、白ムツ、エビ、季節の野菜が並ぶ。揚げたての香りが立ちのぼるころには、思わず箸が止まらなくなる。ご飯はうれしい食べ放題。魚のアラを使った味噌汁も付き、まさに「港のフルコース」といえる内容だ。

いろどり定食(2480円)
いろどり定食(2480円)

 名物のアジフライは、刺身でも食べられるほどの鮮度が自慢。白絞油にゴマ油を加えて180℃で揚げることで、外はザクッと香ばしく、中はふわふわに仕上がる。ずっしりと重みのある一枚は食べ応え十分で、地元客にも観光客にも根強い人気を誇る。

自家製あじフライ(1300円)
自家製あじフライ(1300円)

 さらに、希少なマグロのホホ肉を使った唐揚げもおすすめ。生姜と醤油に漬け込み、表面をカリッと揚げた一品は、噛むほどにあふれる旨みが後を引く。ビールのつまみにも、ご飯のお供にもぴったりだ。

鮪ほほ肉唐揚げ皿盛り(1300円)
鮪ほほ肉唐揚げ皿盛り(1300円)

 秋の味覚を楽しむなら、旬のサンマも外せない。刺身、塩焼き、蒲焼き丼と調理法はさまざま。脂がのったサンマが口の中でとろけるように広がり、秋の港を感じさせてくれる。

旬さんまの刺身(580円)
旬さんまの刺身(580円)

 豪快で新鮮、そして何より温かい。沼津の海と人の心意気が詰まった食堂だ。

駿河湾の恵みを頬張る 市場の旬が彩る食卓 「沼津魚市場食堂」

沼津魚市場食堂
沼津市千本港町128-3 沼津魚市場食堂 INO 2階
電話番号:055-954-3704
定休日: 火曜日
営業時間:10:00-16:00 L.O. 15:30
Pあり