朝の一皿に季節と火入れを重ねる 静岡市「トラパタン」
焼き目のついた香りが先に立つ。席に着く頃には、甘さとバターの気配がゆっくり広がってくる。静岡市清水区旭町にある「TORAPATAN(トラパタン)」は、朝8時から動き出す喫茶店。モーニングからしっかり食べられる店だ。
看板は厚切りのフレンチトースト。パンを卵、牛乳、生クリーム、バニラエッセンスを合わせた液に浸し、片面ずつ時間をかけて中まで染み込ませる。焼きはバターで四面にしっかりと火を入れる工程。外側に焼き色をつけながら、中はやわらかさを残す仕上げだ。バニラアイスとキャラメルソースを重ねることで、温かさと冷たさ、甘みの層が一皿の中で行き来する。
朝からボリュームを求めるなら「ベーコン&エッグ」。トースト、ベーコン、目玉焼きにサラダを添えた構成だが、火入れに差がある。ベーコンはカリッと焼き上げ、卵は半熟に。食感の違いで食べ進める。サラダにはキャロットラペや自家製シーザードレッシングを合わせ、軽さだけで終わらせない。
ランチに移ると、月替わりのパスタが主役になる。4月は「春野菜のスープパスタ」。菜の花やカブなどその時々の野菜を使い、鯛のだしをベースにしたスープでまとめる。干しサクラエビを散らし、見た目にも季節感が出る。ほろ苦さとだしのうまみが重なり、穏やかな味に落ち着く。
同じく月替わりの「バターチキンカレー」は、方向を変えてくる。カルダモンやクローブなどのホールスパイスを使い、カシューナッツを水に漬けてペーストにして加える。鶏肉はヨーグルトとスパイスでマリネ。コクを持たせつつ、後から辛みが追いかけてくる。
時間帯で役割は変わるが、どの皿にも工程の積み重ねが見える。染み込ませる、焼く、だしを引く、漬ける。その手順の違いが、そのまま味の違いになる。
TORAPATAN
静岡市清水区旭町1-23
電話番号:090-5445-8373
定休日:水・木曜日
営業時間:8:00-17:00 L.O.16:30
Pあり