人もペットも安心して過ごせる避難所づくり 専門学校生90人が体験 静岡市清水区
「これは訓練です」
避難開始の合図とともに、犬を連れて歩き出す学生たち。
静岡市清水区の鈴木学園中央動物総合専門学校で行われたのは、ペットと一緒に避難する“同行避難”の訓練です。
堀優奈リポ
「小雨が降る中ですが、災害時の緊張感を想定して、学生たちはペットを連れてこれから校舎の外へと避難をします。」
この訓練には、ペット防災アドバイザーの資格を取得した2年生およそ90人が参加。
学生たちは、自身の愛犬や学校で飼っている犬を連れて訓練に臨み、犬を同行していない学生は、2リットルのペットボトル2本をリュックサックに入れ、その重さを犬に見立てて取り組みました。
訓練では“避難案内の標識”を探しながら進むほか、“同行していた犬がけがをして歩けない”など、アクシデントカードへの
対応力も問われます。
(学生①)
「なにで止血する?」
(学生②)
「タオルでいいかなって思っている。」
避難所には、アレルギーのある人や動物が苦手な人がいる可能性もあります。
そのため、場所やスペースの区切り方など、周囲への配慮が欠かせません。
今回はそれも踏まえ公園を貸し切り、避難先となる小学校の校庭に見立てて、ペットスペースの設営訓練が行われました。
段ボールやブルーシートなど限られた資材の中で、人も犬も安心して過ごせる環境をどう作るかがポイントです。
授業で学んできたものの、実践の現場では苦戦する学生たち。
男子学生
「ブルーシートと養生テープでつなぐってことで、限られたものでやるっていうのが難しい。」
女子学生
「座学でたくさん考えてきたんですけど、ここに来てみて思っていたことと違うこともたくさんあって、その中で一人でできることはないので、みんなで力を合わせてやるのがとてもためになると思った。」
グループで協力しアイデアを出し合いながら、およそ1時間半でペットスペースを作り上げました。
災害はいつ起きるかわかりません。
だからこそ、“大切な家族であるペットとどう避難するのか”を日頃から考えておくことが大切だといいます。
鈴木学園中央動物総合専門学校 矢野裕季 教務主幹
「静岡県は南海トラフの心配がありますので、実際に災害が起こった際に、人も動物もより良い避難生活を送るための知識や技術を身につけてほしいと思っています。」

