長野県に海? 静岡県にリニア駅?? 県境で「峠の国盗り綱引き合戦」 浜松市 長野・飯田市
浜松市の遠州軍と長野県飯田市の信州軍が国境をかけて戦う「峠の国盗り綱引き合戦」が22日、4年ぶりに行われました。これまで負け越して領土を失っている遠州軍。まず目指すは「リニア長野県駅の奪取」。どういうことでしょうか。
信州軍総大将・佐藤健飯田市長:「信州・遠州の力比べ。いざ勝負!えいえいオー」
遠州軍総大将 中野祐介浜松市長:「義理も人情もきょうは別。いざ戦わん!えいえいオー」
決戦の舞台は武田信玄が遠州攻めに通ったといわれる浜松市と長野県飯田市の県境「兵越峠」
長野の目標は6万5000連勝で「太平洋進出」
梅田航平記者:「今、私が立っているラインが長野県と静岡県の県境。こちら見てください。そこから2メートル静岡県に寄ったところに現在国境の印が打たれています」
新型コロナの影響もあって、4年ぶりの開催となったそれぞれの陣地をかけて戦う国盗り綱引き合戦。この戦で決まる国境は本来の県境にはなりませんが、勝者は領土を1メートル相手側に広げることができます。
これまでの戦いでは、9万連勝で「諏訪湖」奪取を目指す遠州軍は15勝17敗と負け越し。
6万5000連勝で「太平洋進出」を目指す信州軍に2メートル領土を献上しています。
遠州軍 山本功主将「今年1年間で1メートル返して、来年1メートル返して、(綱引き)35周年でイーブンという形にしたいので、スタートで取ってそれから勝負かけたい」
信州軍 平澤一也主将「久しぶりの開催ということで、僕らもテンションが上がってきている。当たって砕けろでいきたいと思う」
綱引きは10人ずつで行い、3本勝負の2本先取り。4年ぶりの開催ということもあいまって、大勢の人が応援に駆け付けました。
磐田市民:「待ちに待った4年なので、静岡県側が勝ってくれるのを願っています」
長野県民:「信州軍勝つと思って応援に来た」
Q.太平洋までというところもあると思うが?
A「元気なうちに、(太平洋に)たどり着ければ」
そしてついに合戦の火蓋が切られました。
両軍とも掛け声に合わせて綱を引っ張りますが、力は拮抗。双方綱を引き切ることができず、1本目はまさかの引き分け。ここで遠州軍は総大将を務める中野市長が、チームを鼓舞します。
遠州軍総大将 中野祐介市長:「絶対いける。これだったら絶対いけます! 絶対勝つぞ! えいえいオー!」
浜松市長「目標はリニア駅」
市長として迎えた初陣。実はある因縁が…
遠州軍総大将 中野祐介市長:「(飯田市・佐藤市長は)私の尊敬する先輩ですけど、それとこれとは話は別ですので、領土をもぎ取るまで」
Q.目標は?
A.「リニアの駅を手に入れる。水窪がリニアの世界に向けての窓口になる」
総務官僚時代の先輩後輩が、それぞれの国の総大将となって相まみえたこの戦。中野市長率いる遠州軍は、この日のために1カ月ほど週3回の練習に励んできました。2本目も引き分けで迎えた大一番の3本目。勝負の行方は…
勝負の行方は…
最終戦はどちらが網を引き切るか。決着がつくまでのサドンデス。遠州軍、地面をえぐるほど踏ん張りますが、3分以上にも及んだ激戦は信州軍の勝利で幕切れ。
国境の立て札は浜松側に1メートル移され、遠州軍領土を取られてしまいました。
遠州軍総大将 中野祐介市長:「ほんのわずかな差で負けてしまったけど、この負けは来年の勝ちに必ずやつながると思っている」
信州軍総大将 佐藤健市長「(中野市長と)お互い忖度なしで戦おうということだったけど、こちらが勝ってよかった。選手の皆さんに感謝したい」
太平洋か諏訪湖か、そしてリニア新駅の行方は。両軍の果てしない夢はまだまだ続きます。
遠州軍 山本功主将:「1人1人が最後まで綱を離さなかったことに泣けてきて、また3メートル負けたけど、これをみんなで巻き返していければ」