コメの収穫量は9年ぶりの高水準に コメ不足はなくてもコメの価格は?

2025年のコメの収穫量は9年ぶりの高水準となり、コメ不足への不案は解消されそうです。一方、気になるのはその価格。静岡市の米店を取材しました。
小泉進次郎農水大臣 10日
「消費者の皆様には、この約10年で最大の増産ですからコメが足りなくなることはないとご理解いただき、必要なだけのコメを買い求めていただきたい」
先週、小泉農水大臣が発表した今年のコメの収穫量。
2025年、主食用のコメの予想収穫量は747万トン。
2024年より68万トン増えて、2016年以来9年ぶりに740万トンを超えました。
小泉進次郎農水大臣
「需要を上回る十分な供給が確保され、不足感を払拭する新たな段階に入った捉えています」
農水省は、異例の猛暑による懸念はあったものの、作付面積の増加に加えて、多くの地域で天候に恵まれたことで増加につながったとしています。
今後のコメの価格は…
そうなると・・・気になるのが今後のコメ価格です。
小田米穀 小田礼吾さん
「全国的にもお米って大部分が収穫されているので、もう収穫されているってことは契約も進んでいるので、今年急に、一気に下がるということはあまり考えにくいんですけど、若干下がることはあるのかなと思っています。本格的に下がるとしたら、年明け過ぎてからかもうちょっと経ってからじゃないかなと思ってます」
こう話すのは、静岡市駿河区でコメ店を営む小田礼吾さん。
小田さんは、コメが市場に飽和状態となれば、半年ぐらいをかけて、徐々に、取引価格や販売価格が下がっていくのではないかといいます。
あるコメの卸売業者は、「生産者にとって値下げのギリギリラインは、JAが定める概算金」と指摘。
民間での取引価格がその程度まで下がれば、店頭での販売価格は、「今よりも5キロあたり500円ほど値下がりする」と見ています。
そんな中、小田さんによると、先週、コメの卸売業者が、60キロ3万8000円だった取引価格を3万7000円にと、1000円下げたといいます。
Q卸が価格を下げたというのはどんな理由で?
小田米穀 小田礼吾さん
「あまりにも(新米が)ちょっと高すぎて、ちょっとその値段だと売れないし、卸はある程度ちょっと下げたんじゃないかなと」
高止まりが続く新米の価格。
3日前に入荷したばかりだという暑さに強い品種の「にこまる」。
米食味ランキングで最高ランクの特A評価を獲得したこととこもあるこちらの価格は税込み4380円。
去年よりも1000円以上高くなっているといいます。
全国のスーパーおよそ1000店舗で販売された最新のコメの平均価格は、5キロあたり4205円。
新米が出回り始めてからも、高値で推移しています。
収穫量の増加でこの価格が少しでも下がることが期待されます。
小田米穀 小田礼吾さん
「スーパーなんかでお米があふれちゃったりすれば、ちょっと値下げようかなという話はでるかもしれない。お米が足りなくなっちゃうのは困るので、安心して供給できるならばそれはいいことだと思っています」
